昨季のシリーズMVP男は開幕カードで持ち前の勝負強さを発揮できるか。ソフトバンクの栗原陵矢捕手(24)が実質2年目のシーズンに向けて苦しんでいる。

 オープン戦は打率1割8分6厘、1本塁打。工藤監督は開幕戦でのスタメン起用を示唆したが、同ポジションには2018年に全試合出場を果たした上林も控えている。焦りもある中で「(原因が)どこかが分からないので、ちょっと苦しんでます」。思うような打撃ができず悩んでいる。

「肩の開きが早いので、ボールにうまく力が伝えられないですし、ボール球を振ってしまう原因にもなる。それが一番かなと思いますけど、そこだけじゃないと思いますし。タイミングが取れていない。遅い分、慌てて振りだしてしまうから、肩が開いてしまうのではないかなとか。いろいろと考えてます」と吐露した。

 それでも、ここ一番での勝負強さは折り紙付き。大抜てきされた昨季の開幕戦ではサヨナラ打でヒーローに。満塁で打率5割4分5厘を誇り、リーグ4位の73打点をマークした。日本シリーズでのMVPにしても、CSでドン底だったところからのV字回復だった。「状態は明らかに良くないが、始まればきっかけ一つでガラリと変わることもある」(チーム関係者)。

 この日のアップ中には、熱男・松田による〝愛のムチャぶり〟で声出しを命じられた。「卒業式の季節ですが…」と切り出すと尾崎豊の卒業を熱唱。そして不振からの卒業を誓った栗原。「チームと自分の気持ちを盛り上げる意味でやりました」。再び注目の開幕で急浮したいところだ。