巨人の「超大型新人」ドラフト5位・秋広優人内野手(18=二松学舎大付)の一軍再昇格を〝もう1人の秋広〟も静かに待ち望んでいる。

 オープン戦で25打数5安打、打率2割と調子が上がらず、秋広は19日に二軍に降格。球団では1959年の王貞治以来、62年ぶりの高卒新人開幕スタメンが絶望的となった。その秋広は23日のイースタン・西武戦(カーミニーク)に「4番・DH」で出場。1点を追う6回無死一塁で中前打を放って公式戦初安打をマークすると、8回一死で右前打とマルチ安打を記録した。

 阿部二軍監督から「4番として二軍ではずっと使っていく」と告げられていた若武者は「もっと練習してたくさん打てるようになりたい」とさらなるレベルアップを誓った。

 原監督ら首脳陣はもちろん、営業サイドからの〝規格外新人〟への期待は大きい。歴史的快挙を信じて、開幕に合わせ202センチの「秋広等身大パネル」を作成。26日の一軍開幕DeNA戦で東京ドーム内の「撮影スポット」にする計画を立てていた。 

 昨季は2000安打を目指していた坂本のため、ドームのメーン入口内に安打数の「勇人メーター」と坂本の等身大パネルが置かれた。新人に対して異例の〝キャプテン級〟の応援計画だった。

 ところが残念ながら二軍落ちとなったため、パネルは20日のイースタン・開幕ヤクルト戦(ジャイアンツ球場)で入口横の飲食スペースに設置。サインした際に横に並ぶと、スパイクを履いた分、本人の方が大きかった。

 二軍で結果を残し続ければ、早期の一軍再昇格も可能性十分。その際は「等身大パネル」も一緒に東京ドームへ〝昇格〟となる。秋広は「4番を任させていただいているので、チームに貢献できるように一歩一歩やっていきたいです」と前を向いた。

 この日の2安打はどちらもスライダーを捉えたもの。課題の変化球への対応を見せた秋広の昇格を〝分身〟も待ち望んでいる。