不惑の左腕が開幕に向けて万全の仕上がりだ。ソフトバンクの和田毅投手(40)が21日、広島とのオープン戦(マツダ)に先発し、4回を2安打無失点に抑える快投を見せた。

 持ち味である直球のキレ味も抜群だった。「前回(14日の教育リーグ・中日戦)よりは相手打者も振り遅れてファールになったりしていた。自分にとってはそこが大事なので。そういう部分では前回より良かったと思う」。中6日で臨む3月28日のロッテ戦(ペイペイ)に向けて準備万端で「シーズンに入れば緊張感も変わってきますが、最終登板をいい形で終われてよかったかなと思います」と腕をぶした。

 チーム最年長の左腕は昨季8勝1敗、防御率2・94と十分すぎる好成績を残した。しかし、決して満足していなかった。早くから「若かろうが年をとろうが、上を目指していかないといけない」ときっぱり。「(2020年は)間隔を空けてのローテーションだった。ほかの若い投手と一緒にずっと中6日で投げられるようになりたい」と宣言し、投げるイニング数を伸ばすことも掲げてきた。

 そして言葉通りにキャンプから順調すぎる調整をしてきた。周囲の目も引く状態の良さ。和田自身も手応えをつかんでいる。前回登板では長いイニングの投球が設定されていた中で、7イニング107球を投げた。若手に負けじと先発ローテの柱としてフル回転する準備は整っている。

 エース・千賀、昨季の開幕投手・東浜が出遅れる中で、ベテラン左腕の頼もしい投球。かつて40代でチームの柱を担ってきた工藤監督も「投げ終わった後の笑顔が良かったな、と。本人も納得だったと思うので良かったです」と思わず表情を緩めた。