中日内で阪神のチェン・ウェイン投手(35)の大炎上に複雑な心境だ。17日の教育リーグの阪神戦(ナゴヤ)で相手先発のチェンを竜のファーム打線は6回途中までで11安打を浴びせて8得点と打ちまくった。

 この日「3番・右翼」で先発出場し、チェンから2点適時二塁打を含む2安打を放った福留は、この結果が認められるなどしてドラフト6位ルーキー・三好と入れ替わり18日の練習から一軍合流することが決定。先発ローテ入りが有力視されている左腕について「メジャーも経験して、自分でいろいろ考えて投球ができる投手。打席でいろんな駆け引きをやれるのは僕自身も楽しい。一軍で投げる投手相手に、打席に立つ機会があったことは僕にとってすごくプラスなこと」と持ち上げながらも喜んだ。

 しかし、仁村二軍監督は「ウチの選手にとっては自信になったのでは」と言いつつもチェンの状態を危惧。「球数が増えてくると少し良くないのでは。かなり肩回りが良くないというか、僕には昔のチェンのイメージしかないので。もっと軽く放っててもボールがきていた。1、2イニングの一回りぐらいは何とかなるけど、その後はちょっと、ごまかしというか、そういうところが出てしまっていた。敵ながら、ちょっと心配になりました」と吐露する。

 チェンは中日時代に吉見とともに左右のダブルエースとして活躍し、日米通算95勝をマーク。それだけに昨年9月に入団したロッテの保留者名簿からオフに外れた際、獲得を望む声も中日内からあった。

 ところが、阪神が今年から2年契約の年俸200万ドル(約2億1000万円)で契約したが、この日の登板内容もあって中日関係者は「年俸2億はいくらなんでも高すぎるよ。もともとウチが手を出せる額ではなかったけど、この状態では結果的に獲らなくて良かったのでは」と安堵する声も出ている。

 仁村監督は「シーズンに入ったらまた気持ちもちょっと変わってくるんでしょうけど」と期待もかけているが、相手チームから心配されるほどチェンの状態は良くないようだ。(金額は推定)