開幕直後は忍耐の采配となるかもしれない。V5を目指すソフトバンクの工藤公康監督(57)が、危機感たっぷりにリリーフ陣の運用をシミュレーションしている。

 15日の時点で最強セットアッパー・モイネロがブルペンで投げていない状態。7回の男となる岩崎もヒジの違和感があった影響で連投テストに至っていない。例年、盤石のリリーフ陣がチームの屋台骨を支えているが、今年に関しては「先発投手になるべく長いイニングをと言ってある。それによってリリーフ陣の負担も減る」。先発陣にイニング増のテーマを課して調整させている。

 ここにきて若手の剛腕投手・杉山をリリーフに配置転換。現有のリリーフ陣を見ても、ぜいたくな悩みのようにも聞こえるが…。それでも指揮官は「(昨年は)迷わせてないはずなんですよ。行く場所、タイミングを本人たちが理解しているから、集中してマウンドに行けたところもあったのかなと思う」と心配顔だ。

 勝利の方程式が確立されない中で目先の勝利にこだわり続ければ、日替わり登板となりブルペン陣が総崩れとなるリスクもある。「決めるところは決めて、我慢するところは我慢して。そこでうまくいかなかったら次のことも考えていかないとダメなのかなと思いながら。日々、頭を悩ませています」と続けた。

 開幕後に千賀、東浜の復帰が控える。戦力が整うまでは忍耐の戦いも覚悟している。