最速153キロで問題なし! ロッテが佐々木朗希の一軍定着を急がない「真」の理由

2021年03月13日 05時15分

初実戦を無失点で終え、笑顔のロッテ・佐々木朗(左)

「令和の怪物」こと、ロッテ・佐々木朗希投手(19)が12日のオープン戦(対中日=ZOZOマリン)で、待望の実戦デビューを果たした。高校時代に163キロをマークするなど、鳴り物入りで入団したものの、昨季は一軍どころか二軍でも実戦登板はゼロ。周囲をやきもきさせたが、初実戦での球速は153キロどまりで、球速を期待したファンにとっては拍子抜けした格好となった。では、実際の評価はどうなのか。そして今季こそ公式戦で大暴れしてくれるのか…。


 待ちに待った実戦デビューがようやく実現した。

「すごく楽しかったですし、今こうやってプロ野球選手としてマウンドで投げられて、野球ができていることにすごく感謝しています」

 6回からマウンドに上がった「令和の怪物」は、先頭の京田を149キロの直球で一ゴロに打ち取ると、続く阿部も遊ゴロ。ビシエドにも直球勝負を挑み、カウント2―2から見逃し三振を奪った。直後には小さくガッツポーズ。本人の心境が現れた瞬間だった。

「結果的に三振を取れたし、三者凡退で抑えることができたので。安心したというのが一番ですね」(佐々木朗)

 注目のプロデビュー戦は計12球中、阿部に投じた2球目スライダー以外はすべて直球だった。球速も最速153キロどまり。はたから見れば物足りなく見えるだろう。だが「球速で野球をやっているわけではないので。(相手を)抑えるボールが投げられたことが一番よかったです」。プロではいくら球速があっても、アウトを積み重ねられなければ意味がない。現在はボールの質を意識した投球スタイルを追求しているという。

 ベンチで見守った井口監督も「基本的に(球速が)速ければいいってものではない。ストライクゾーンでしっかり自分の真っすぐだったりを投げられていた」と評した。吉井投手コーチも「(球は)速く見えなくていいんです。速い球を投げるのが(投手の)仕事ではないので。もしかしたらこの先、ガンガン(状態が)よくなって球速が上がるかもしれませんけど、そこを目標にはしていない。バッターをやっつけることを目標にしているので」と、力説しながら目を細めたあたりに、佐々木朗への期待度がうかがえる。

 それでも、今季の「戦力」として開幕から先発として活躍していく力があるのかと言えばそうではない。チーム首脳陣にもその思いはない。その理由として挙げられるのが佐々木朗の肉体的な進化だ。

 昨季の1シーズンを体力強化に費やしたこともあり、19歳の肉体は今も成長途上。ロッテ入りが決まった2019年ドラフト直後と比較しても身長は当時から2センチも伸び192センチに。チーム関係者もこの成長力には驚嘆のようで「規則正しい生活とバランスのとれた食事を心がけているのでまだ身長は伸びるはず。あと3センチぐらい伸びても不思議ではない」と、このオフに話していた。

 そんな成長期に肉体を酷使すれば肩肘の故障に繋がるのは明白。このためチームは今後も体の細部を入念にチェックしながら起用法を探っていく。「明日以降の様子を見て(体の)リカバリーができていれば、もう一回上(一軍)で投げさそうかな、という話にはなっています」とこの日試合後に指揮官は来週にも再び佐々木朗をオープン戦で登板させる可能性を示唆したが、公式戦での一軍デビューは先送りが濃厚だ。

 だが、吉井コーチは最後にこう将来性について話した。

「まだ子供の体であれだけのボールを投げられて、しかもすごく感覚のいい子なんでね。コントロールも変化球もうまく投げられる。この先どんなピッチャーになっていくか。本当に楽しみです」

 今後も大事に育てられていくことになりそうで、すぐにでも見たい人たちにとっては、もうしばらくの辛抱が必要か。

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