V5を目指すソフトバンクが、ユーチューブで斬新な攻めた企画を連発している。

 昨年11月には二次元の女性キャラクター・鷹観音海と有鷹ひなが、チームを応援するバーチャルユーチューバーとしてデビュー。選手ともコラボした動画を配信したり、それぞれがツイッターでファンと一緒になりチームの話題で盛り上がるなどしている。

 さらに今月に入ってからは、何やら野球経験のありそうな謎のマスクマンがユーチューバーとして登場。元アスリートを最強超人に育てるのが使命として、現役時代に剛球を武器としたOBの新垣渚氏に日本最速の165キロを目指させるチャレンジをスタートさせた。

 どのような狙いがあるのか。球団フロントは次のように説明した。

「応援してくれる方々を少しでも増やしていかないといけない。たとえば今はテレビよりユーチューブを見る子供たちが増えてきている。そこでマスクマンのキャラクターだったりと、今まで獲得できていなかった人たちに少しでも興味を持ってもらえたらというところがまずあります」

 それだけではない。成功すれば大きなメリットも生まれる。

「もちろん収益化できれば新しい事業にもなる。ひょっとしたら将来的にリターンがあるかもしれないという夢もあります」

 そもそもソフトバンク球団は多角的に事業を展開しており、野球を中核とした総合エンタメグループとしてのカラーも持つ。

 昨年には球場の隣に屋上にレールコースターを設置したエンターテインメントビル「E・ZO FUKUOKA」をオープン。過去には球場近くのビーチを利用して、海上アトラクションをつくったこともあった。2019年には主にOBが所属タレントとして在籍するマネジメント会社を設立。今回ユーチューブデビューした新垣氏も所属タレントの一人だ。動画の発信は野球だけではない相乗効果を生む可能性もありそうだ。

 チームは12球団一の高年俸を誇る。独立採算制だけにコロナ禍の中で厳しい状況も続くが、新たな展開を生み出すべく動いている。