巨人とDeNAが7日、那覇での2連戦(セルラー)に備えて沖縄入りした。ただし現地は史上最大級の台風接近により厳戒態勢。8日の試合も前日中に中止が決定するなど、両軍とも異例の対応に追われた。

 先に羽田を飛び立ったのは巨人だった。当初は午後便で移動する予定だったが、台風接近を考慮して午前9時すぎの飛行機に変更。那覇空港付近で強風に揺られて到着がやや遅れたが、午後12時過ぎに沖縄に無事入った。

 原監督は「本音を言えばゆっくり休んでから移動したいところだが、沖縄ではたくさんのファンの方々が待ってくださっている。戦う準備をするために早めたということ。後は人事を尽くして天命を待つ。それしかない」と語った。

 少し遅れて沖縄入りしたDeNAではグリエルによる「遠征ボイコット」が波紋を呼んでいた。高田GMによれば、グリエルは5日の阪神戦後に「沖縄へ飛行機では行きたくない」との意向を伝えてきたという。同GMは「飛行機嫌いはよくあるけど、どうしても乗れないという人はいなかった。説得したけど、どうしても行きたくないということだった。台風の影響もあるだろうし、ストレスとかな原因があるかもしれない」。

 グリエルはキューバ時代から飛行機移動が苦手だったという。DeNA関係者は「今回は周囲から台風接近の情報を知らされたことで、余計に恐怖を感じたようだ」と話した。ストップをかけたチームドクターも職場放棄してまでの怖がりぶりは「異常」と判断。病院で検査を受けさせることにしたという。

 中畑監督は「俺も3、4年前に飛行機が揺れて『死ぬんじゃないか』というほどの恐怖を感じたことがある。彼もそういうトネリコ…じゃなくてトラウマになるような経験があったんじゃんないか。ああいうことがあると乗れなくなるのはわかる」と理解を示すと「(グリエル不在が)痛いと感じるより、いい休みを与えたと思ったほうがいい」と語った。