楽天・田中将大投手(32)が6日の中日戦(バンテリン)で、3試合目となる実戦のマウンドに上がり、4イニング70球を投げ被安打3、6奪三振、2失点で降板した。球速は最速149キロだった。

 開幕投手に指名されている先発・涌井が3回無失点に抑えた後を受け、1―0と楽天リードの4回から2番手で上がった右腕。日本では2680日ぶりとなる、有観客でのマウンドとなった。

 まずは先頭の5番・高橋周。初球いきなり外角いっぱい149キロの直球から入ると、カウント1―2と追い込んでから内角148キロ直球で空振り三振を奪うと、続く平田にはフルカウントから8球目に宝刀・スプリットで空を切らせ連続三振。7番・滝野の場面ではスプリットの落ちが早く見送られる場面もあったが、最後は外角148キロ直球で左飛にしとめ無失点で終えた。過去2度の登板ではいずれも立ち上がりに失点を許していた右腕だったが、キッチリ対応してきた。

 2イニング目となった5回、先頭の8番・桂には浅く握ったスプリットで様子を見ると、続いて深く握ったスプリットを投じて空振り三振。注目の根尾との対決では初球、外角ボールゾーンからからストライクゾーンへ切れ込む「バックドア」のスライダーから入り、最後はカウント2―2からスプリットを引っかけさせ二ゴロに打ち取った。1番・大島にはカーブ、スプリット、直球の組み立て。力強い146キロの直球で左飛にしとめた。

 順調な滑り出しも、3イニング目の6回につかまった。先頭の2番・京田には見逃し三振。続く阿部を投ゴロにしとめ簡単に二死を奪ったが、4番・ビシエドへの1球目、直球が甘く入り初被安打となる左中間二塁打を許すと、続く高橋周にはカウント2―1からの4球目、スプリットに食らいつかれた。打球は中前にポトリと落ち1-1の同点に追いつかれた。

 6番・平田の場面では高橋周の代走・三好が盗塁。一時アウトの判定もリプレー検証でセーフとなり二死二塁。仕切り直しとなった平田との対戦は4球目の外角直球が甘く入ったところを捉えられ、右翼線二塁打。三好がホームを踏み勝ち越しを許した。7番・滝野は右飛に打ち取り、この回2失点で終えた。

 徐々に掘れていくマウンドをやや気にする仕草もあった田中。4イニング目の7回は途中出場の8番・三ツ俣に初の四球を与えると、続く根尾の場面で盗塁。無死二塁と、いきなりのピンチを迎えたが、田中は冷静に打ち取っていく。根尾を内角スライダーで空振り三振。途中出場の1番・武田には内角ツーシームで簡単に追い込むと、最後は外角スライダーで連続三振で二死二塁。続く京田も内角スライダーで二ゴロに打ち取り無失点。頼りになるスライダーがここ一番で決まり、マウンドを降りた。