巨人新加入・広岡特大弾で一気に動くか…主力・坂本&岡本和の「コンバート問題」

2021年03月05日 05時15分

ヤクルト戦では岡本和(左)と三遊間を組んだ巨人・広岡

 巨人に電撃トレードで加入した広岡大志内野手(23)が4日の古巣・ヤクルト戦(東京ドーム)で名刺代わりの特大弾を放った。持ち味である長打力を存分にアピールした背番号32に、チーム内からは正二塁手争いどころか将来的な岡本和、坂本の対抗馬としての期待まで高まっている。


「これからよろしくお願いします」――。あいさつ代わりの驚弾が、左中間スタンド中段に突き刺さった。2点リードの6回、ヤクルト守護神・石山の高め144キロ直球をフルスイング。智弁学園の1年先輩・岡本和ばりの「グシャッ」というバット音が、場内に響きわたった。

 新天地で5打席目の初安打が特大弾。2桁勝利2度の実績がある左腕・田口麗斗投手(25)との〝格差トレード〟で獲得した原監督は「さらに落ち着いてできるようになるでしょうね。あとは、確実性も含めてね、どれだけ勝負ができるかというところでしょうね」とうなずいた。

 4日は指揮官自ら打撃を指導。「足を上げて打ってたんですけど(原監督から)『(踏み出す足を)ワンステップ入れてから、打ちにいった方がいいんじゃないか』と言われたので、それを意識してやってました」(広岡)

「未完の大器」の究極の完成形は「ポスト坂本」だ。DHで出場した坂本に代わり、広岡は「9番・遊撃」で先発出場。初回に3つの遊ゴロを処理し軽快な守備を見せた。当面は吉川、北村らと正二塁手の座を争うことになるが、この日も守備練習では遊撃、三塁、二塁、一塁の順でノックを受けており、内野はどこでもこなせる。

 首脳陣の念頭には常に「坂本コンバート問題」がある。18年ドラフトでは根尾(中日)を1位指名しクジを外すと、2位で右打者の遊撃・増田陸を獲得。だが増田陸はケガで伸び悩み、後継者のメドは立っていなかった。

 今後、広岡が実績を積み上げ主軸に成長すれば、現時点では競争がない「遊撃」「三塁」争いが一気に熱を帯びる。昨季のセ2冠王・岡本和は「三塁でのゴールデン・グラブ」を今季目標に掲げ、守備力は日増しに向上しているが、将来的な坂本のコンバート先は三塁が濃厚。岡本和が一塁に押し出される形になる。

 その前に広岡の打棒が急成長すれば、智弁学園時代同様、三塁・広岡、一塁・岡本和の布陣も選択肢に浮上する。いずれにせよ岡本和にとっては後輩の台頭が巨人伝統の「4番・三塁」を失うことにつながるため、先輩として意地でも負けられない。常に聖域をなくし、対抗馬を用意する指揮官の狙い通りになる。

「昨日も2打席で2三振したんで、絶対打ったろうと思って打席に入りました」と危機感を前面に押し出す広岡が、ジャイアンツの聖域を壊す存在にまで成長できるか、注目だ。

関連タグ: