中日のドラフト1位新人・高橋宏斗投手(18=中京大中京)が1日、名古屋市内の母校で卒業式に出席した。ドラフト3位指名で巨人入りした中山礼都内野手(18)らチームメートとも久しぶりに再会し「最後にあの制服を着れたというのは自分自身うれしいですし、いろんな人に応援されたので、感謝の思いをいろんな人に伝えたい」と明るく話した。

 波乱に満ちた3年間だった。2年生でエースの座をつかみ、2019年秋の新チーム結成から公式戦は無傷の28連勝。同年11月の明治神宮大会も制した。しかし、3年生となった昨年は新型コロナウイルスに翻ろうされ、出場を決めていた昨春の選抜大会は中止となり、聖地・甲子園球場でのプレーは夏の交流試合での智弁学園(奈良)戦だけ。それでも高橋宏は一度のチャンスに「やっぱり甲子園で1試合できたことは自分の中ですごく大きかったですね。すごくずっと憧れて、高校野球といったら甲子園なので、ここで試合ができるということはすごいうれしかったです」と感謝する。

 高校3年間で直球は最速154キロに達し、昨秋のドラフト会議では地元球団からいの一番に指名された。学んだのは野球ばかりでなく、高橋宏は「精神面でも、野球する面でも高校時代が一番伸びたと思います。人に対しての目配り、気配りもそうですし、人として社会人として当たり前のことを教えてもらったので、一人の人間として成長しました」。数ある強豪校の中でも中京大中京を選んだことに「すごい良かったと思います」と胸を張った。

 かわいい後輩たちは今月19日に甲子園球場で開幕する選抜大会に出場する。「エース」の称号は1学年下でプロ注目の最速151キロ右腕・畔柳亨丞が引き継いだ。一足先にプロの世界へと羽ばたいた高橋宏は「今は新型コロナで、これだけ日本中が苦しんでいる。高校野球ひとつで感動がいろんな人に与えられると思うので、全力でやって多くの人の少しでも支えになったらなと感じます」と後輩にエールを送った。