巨人が1日、田口麗斗投手(25)とヤクルト・広岡大志内野手(23)との交換トレードが成立したと発表した。

 春季キャンプを終えた直後のトレード補強だ。パンチ力のある右打ちの内野手を探していた巨人と、先発投手陣が手薄なヤクルト側の思惑が一致。田口と言えば、2016年から2年連続で2桁勝利をマークし、一躍左のエース候補に名乗りを上げたが、2勝8敗に終わった18年以降はやや伸び悩み、主に中継ぎとしての起用が続いていた。

 原辰徳監督(62)が就任した近年の巨人では〝悪しき慣例〟の排除にも取り組んできた。移籍した選手に新天地で活躍されることを嫌い、かつての球団内にはびこっていた「飼い殺し」を廃し、指揮官は移籍期限の撤廃まで提唱。昨季は開幕後に4件のトレードを成立させ、楽天から加入した高梨やウィーラーはリーグ連覇の大きな原動力となった。

 また、昨年9月にロッテにトレード移籍した澤村は新天地で〝覚醒〟したことをキッカケに、海外FA権を取得してレッドソックスと契約合意。夢のメジャーの舞台へ羽ばたき、巨人内では「良い前例ができたわけだし、今後はもっとトレードが盛んになるかもしれないね」との見方とともに「選手はウカウカはしていられないよ」と危機感も広がっていた。

 田口はキャンプを一軍で迎えたが、右太もも裏の張りのため、わずか3日で離脱。「職場放棄だ」と指揮官はあきれ顔だったが、すでに状態は回復しつつある。先発陣を整備しきれていないヤクルトの救世主となる可能性もあり、それこそ本人が究極目標に掲げる「200勝」への追い風となるかもしれない。

 田口は巨人を通じて「ジャイアンツでの7年間は、非常に濃い時間でした。監督、コーチ、仲間たち、スタッフの方たちに助けられて、ここまでやってこられたと思います。ジャイアンツの皆さんには、本当に感謝しています。東京ヤクルトスワローズでも、田口麗斗を応援してもらえるよう頑張ります」とコメント。新天地でもうひと皮むけられるか注目だ。