楽天・田中将大投手(32)が27日、ヤクルトとの練習試合(浦添)で日本球界復帰後2度目の実戦マウンドに立つ。

 前日26日、当地で軽めの調整を行った田中将に対し、小山投手コーチは「前回は(金武の)マウンドの軟らかさもあった。ここ(浦添)は多少硬いので、どこまで自分の思い描いたボールを投げられるか。内容というより本人の感覚、そこを見ていきたい」とテーマを語った。

 今回目安とするのは「3回、60球」。同コーチは「本人も(球数が)少なければ(追加の)ブルペンで少し投げるかもという話をしていた。まずは3イニングをしっかり投げてもらいたい」と言及した。

 開幕前の田中将の調整登板は今回を除いて残り3回の見込みだが、8年ぶりにNPB復帰した大エースの現状を見極める007部隊の中には「今のマー君(の投球)は参考程度にしかならない」と調査に本腰を入れていない球団もある。理由は「まだマー君の魂に火がともっていないから」だという。

 田中将の本質といえば、2013年9月26日の西武戦、1点リードの9回一死二、三塁のピンチで栗山、浅村に対し8球連続ストレート勝負の連続三振。楽天のパ・リーグ初優勝を決めた投球に代表されるように、気持ちを前面に押し出したピッチングだ。気持ちで打者を圧倒できるその闘争心にこそある。

 現在、沖縄の柔らかいマウンドへの対応など、まだ8年ぶりのNPB環境へのアジャストがメインテーマとなっている状況は、まだその段階にはないということだ。

 前出スコアラーは「今がどうなのかを見極めるには、やっぱり打者に本気で投げられる状況になってから見たい。その方が変な先入観もなく見れる。彼はボールに魂を込めてハートで投げるピッチャー。(8年前まで)それを嫌という程見せられてきましたから」とぴしゃり。

 打者ではなくまだ自分と戦っている段階の田中将に、調査の本腰は入れられないということのようだ。