ソフトバンクは26日、宮崎春季キャンプを打ち上げた。「野手全権」を担う小久保裕紀ヘッドコーチ(49)は、今キャンプを通して若手野手を中心に連日の熱血指導。全員に毎日トスを上げ続け「スイングは見た目で測っているわけじゃないけど、打球の強さとか全体的に増してきた」と、選手それぞれの成長を見守ってきた。

 その中で、悩める鷹のモンスターの変化に目を細めた。「上林もどっちかと言うと8割くらいで打つ子だったけど、だいぶ100で振るという回数も増えてきた。そうなれば彼の成長につながってくる」と長期的視野に立ち、この春の取り組みが大躍進の下地になると期待を寄せた。

 球団内でかねて「モンスター級」とその才能を高く評価され、柳田に次ぐチームの大黒柱への成長が期待される25歳。2018年に22本塁打をマークして全試合出場を果たしながら、直近2年は故障などの影響で低迷。ただ、今キャンプは実戦6試合すべてで快音を響かせ11打数6安打と結果を残し、逆襲の予感が漂う。

 モンスター覚醒前夜――。小久保ヘッドの目には、その青写真がはっきりと見えているのかもしれない。