若き主砲がまさかのプチ・離脱だ。巨人・岡本和真内野手(24)が「背中の張り」の影響で、キャンプの打ち上げを待たずに帰京した。症状は軽症の模様で3月2日に再合流する予定だが、岡本和は打撃フォームを改造中。まだ完成には至っておらず、多少の調整遅れも生じるが、絶対的な信頼を置く首脳陣は放任する見込みで、岡本和の“自己解決力”が試されている。

 中日との練習試合(那覇)が行われたこの日、ベンチに主砲の姿はなかった。背中に張りの症状がでたためで、原辰徳監督(62)は「ずっとやってきているから。『3月2日に元気で会おう』ということを伝えました」と明かした。

 確かに、2月1日のキャンプインからフル回転だった。宮崎キャンプの主将を務めた岡本和は連日泥にまみれ、レギュラー取りを目指す若手や新人が主体となった練習試合への出場も志願。頑健な肉体は大きな特長の一つだが、長期離脱につながってはチームの一大事となる。大事に至る前に首脳陣の判断でジャイアンツ球場で調整する方針が固められた。一軍に合流するのは、東京ドームで全体練習が行われる3月2日の予定だ。

 チームから離れるのは1週間程度。無念の思いもあるだろうが、そこで問われるのが岡本和の“ある能力”だという。

 実は岡本和は今キャンプで新たな打撃フォームの習得に取り組んでいる。昨季よりもグリップの位置を低くし、バットを後ろに引いた際の間も長く取っている。首脳陣によれば「試行錯誤をしているけど、まだまだしっくりきていないようだ」という。本人もまだ完全にはフィットしていないようで、空振りや差し込まれるケースもあり、実戦6試合で1安打。結果が求められるような立場ではないが、可能な限り試合に出てより多くの打席に立つことを望んでいた岡本和としては、描いた青写真をやや修正する必要がある。

 また、昨季2冠王に輝いた主砲に対して首脳陣も手取り足取り指導したり、四の五の口を挟むつもりもない。コーチの一人は「時間とともに次第に(調子が)良くなっていくと思う。こちらはゆっくり見守っていればいいでしょう。開幕に合わせて和真にもいいスタートを切れるように調整してほしい」とキッパリ。24歳でも今や押しも押されもせぬ不動の4番だ。本人が助けを求めてくれば救いの手を差し伸べるが、岡本和は大人扱いにするのが基本的なスタンスだ。

 となれば、新フォームもどう固めていくのか、それとも2020年仕様に戻すのか…。どんな道を選択し、3月26日の開幕に間に合わせるのかは自分で解決していくしかない。腕の見せどころだ。