ソフトバンク・工藤監督が見抜いた〝宝刀〟の輝き 昨季2勝の武田に復活の兆し

2021年02月25日 20時05分

工藤監督は武田に復活の兆しを感じている

 背番号18が投じる独特の軌道に希望の光が差し込んでいる。ソフトバンク・武田翔太投手(27)が25日、球春みやざきベースボールゲームズ・ロッテ戦(アイビー)に先発。予定の3回を1安打無失点に抑え、充実の31球に「力まないことを一番のテーマに投げた。メリハリがついている感じがあって、カーブのコントロールも良かった。これを続けていきたい」と明るい表情で汗を拭った。

 一度浮き上がってからストンと落ちるような軌道を描く武田の伝家の宝刀・カーブ。カウントを稼ぎ、勝負球でもある生命線とも言えるボールが戻ってきた。実働29年、通算224勝、球界屈指のカーブの使い手だった工藤公康監督(57)の言葉に、完全復活を期す右腕に差し込む光が見えた。「カーブも含めると緩急を使えていたし、コントロールもできていたみたい。今日はキャンプで投げた中で一番いいんじゃないかと思えるくらいよかった」

 工藤監督の評価は熱を帯びて続いた。「脱力とかね、そういうところも考えながらやってきたキャンプで、その成果が少しずつ出てきたのかなと思う」。投球全般の改善を感じ取った上で、指揮官らしくテクニカルに解説したのは武田のカーブの有効性だった。

「一時期、ちょっと曲がらなくなった時もあった。彼の良い時のカーブというのは1回パッと浮いてポンと落ちてくるのが、いいカーブだと思っている。より低めのカーブが空振りに、真ん中付近のカーブが見逃しになるとかね。そういうのが多くなればなるほど、たぶん彼のカーブの質も良くなってくると思う。抜けているからこそ見逃しも多かったと思う。ちょっと泳がされたようなファウルもあったし、バッターが見た時にいいカーブになっていたのかなと思う」

 武田の生命線であるカーブに誰より可能性を感じているからこそ、指揮官の言葉は明るかった。「今はボールを動かすことを好む選手が多い。やっぱりそういう中で、なかなかカーブを打ってくるバッターというのは、よっぽどデータがないと打ってこない。しっかりとそこらへんがコースでカウントが取れるんであれば、投手優位で進められる」

 2015年に13勝、その翌年も14勝をマークした通算59勝右腕だが、昨季は右ヒジ手術明けの影響もあって2勝にとどまるなど、17年以降は下降線をたどっている。武田自身も危機感をにじませ「僕に足りないのは安定感。年間通して安定感を出していきたい」と節目となるプロ10年目への思いは強い。

 高卒入団1年目には8勝をマークした。持っているポテンシャルの高さは誰もが認めるところ。まずは開幕ローテをつかむべく、結果を残し続けるのみだ。千賀、東浜とともに鷹投の屋台骨を支えることが期待される背番号18。工藤監督が発する熱量の多さは、確かな兆しが見えている証拠だ。

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