広島の先発ローテ争いで明暗が分かれる結果となった。最終クール初日となった25日、コザしんきんスタジアムでは紅白戦が行われ薮田和樹投手(28)と遠藤淳志投手(21)が先発。ローテ入りを狙う2人による熱い投げ合いとなるはずが、試合はまさかの展開となった。

 白組の先発として登板した薮田が誤算だった。先頭打者・田中広に投安で出塁を許したのを皮切りに「カウントを悪くしてしまった」と暴投や四球で無死二、三塁のピンチ。ここで3番・堂林にあっさり2点適時打を献上すると、その後も立ち直ることができず6連打を浴びる大炎上となった。

 打者一巡し2番・羽月に適時打を浴び8点目を失ったところで、一死にもかかわらず無念の攻守交代が命じられた。2、3回にもマウンドに上がった薮田だったが、3回には正随に一発を浴びて計9失点。予定していた4回を投げ切れず「悔しいです。終わったことなので、うみは全部出たと思って同じ姿を見せないようにするしかない」と唇をかんだ。

 一方で快投を見せたのが遠藤だ。初回、安打で出塁を許した野間の二盗を正捕手・会沢が阻止すると2、3回は三者凡退。4回は無死二塁の窮地を招いたが、松山、クロン、林のクリーンアップをきっちり抑えて4回を無失点で終え「しっかりゾーンで勝負できたのが成長できたところ。ゼロに抑えられたことを自信にして、ステップアップしていきたい」と手応えを口にした。

 佐々岡監督は薮田について「下半身も使えていないから球の切れ、強さがなくて簡単に打たれる。今は次があるかないかの競争。炎上すれば次はない」とキャンプ終了後の二軍降格を示唆。大瀬良、九里、森下以外の残り3枠をかけて床田、矢崎、中村祐、遠藤、スコットがひしめくローテ争いだが、今後はさらに激しさを増しそうだ。