「言うだけじゃ誰でもできる」巨人・阿部二軍監督が鬼軍曹ぶりのウラで遂行した“極秘トレ”

2021年02月25日 05時15分

猛指導のウラで…

 やってみせ、言って聞かせて、させてみせ――。阿部慎之助二軍監督(41)率いる巨人二軍が24日で宮崎での春季キャンプを打ち上げた。夜間練習も復活し、ヤングG戦士たちは例年以上にハードなトレーニングを乗り越えた。そんな若人らを厳しく、時に優しく指導してきた「鬼軍曹」が裏では“極秘トレ”を敢行していた。

 日夜行われた厳しい試練を無事に乗り越えた。投手陣から2人の途中離脱者が出たものの、毎日午後8時まで夜間練習の対象だった野手陣は一人のケガ人も出すことなく完走。ドラフト5位ルーキー・秋広や育成から支配下へと昇格を果たした八百板など、一軍への戦力供給もキッチリとこなした。

 野手陣の奮闘には青年指揮官も「野手でこれだけの練習量でケガ人が一人も出なかったのは一番の収穫というか、良かったことかな」と納得の表情。続けて「やりきった感は出してもいいと思うし。みんな朝から晩まで頑張った」と普段は厳しい「鬼軍曹」も、この時ばかりは選手の努力をねぎらった。

 胸の内に秘めていた狙いも明かした。「(東京に)帰って継続してほしいというのはあるから。選手の前では『もっと不安になってくれ』と言った。不安に思ってない鈍感な方々が多いから、やっぱり。若い子は特に。そのためには向こうに帰ってからも練習は長いよ…と」。キャンプで行われた特訓の数々は決して一過性なものではなく、常に「クビ」が隣り合わせである危機感を持って猛練習に臨むべきだと説いた。

 選手に厳しい現実を突きつけた青年監督は、今キャンプ中に自身にも大きな課題を課していた。「俺も体づくりしなくちゃ。見本を見せないといけないから…。今の子は(何か言っても)『できねえくせに』とか言いそうじゃん。なら『やってあげるから』って。見せて理解させなくちゃいけない。言うだけじゃ誰でもできるから」(阿部二軍監督)

 就任1年目の昨年は現役引退から間もないこともあり、フリー打撃実演や鬼ノックなど機敏に体を動かすことも苦ではなかったが、今年はそうもいかなかった。「やってみせ 言って聞かせて させてみせ 褒めてやらねば人は動かじ」。旧海軍の山本五十六連合艦隊司令長官の精神を引き継ぐかのように「自ら実践して選手に教える」ことをモットーとする監督だけに、選手に“ナメられない”ための秘密特訓を開始した。

 選手には見せない地道な努力だった。用意されていた監督専用車には乗らず、宿舎から球場までの5キロ超の道のりを徒歩で移動。すべての土台である下半身を鍛え、宿舎では部屋の中でチューブを用いてインナーマッスルを鍛えるトレーニングを人知れず実施した。

 当然、グラウンドに出れば指揮官自らノッカーや打撃投手を務めるなどフル回転。そのため、キャンプ最終日には「4キロくらい(痩せた)かな」と、初日に比べほっそりと引き締まった顔立ちに変化。若者に負けないための努力の表れでもあったが、本人は「自分も頑張るという思いか?」との問いに「そういうことにしておこう」と多くを語らなかった。

 1か月間にわたるハードトレで若手を鍛えぬいた阿部二軍監督。厳しい言葉の裏には、指導者としての強い責任感と秘密裏に行われていたたゆまぬ努力があった。

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