ソフトバンクで次代を担う大砲候補として期待されているのが、リチャード内野手(21)だ。昨季は育成から支配下に昇格し、ファームで本塁打と打点の2冠王に輝いた。抜群のパワーと潜在能力を誇り、王貞治球団会長(80)からの熱い視線も浴びている、ロマンあふれるスラッガーに思いを聞いた。

 ――ここまでのキャンプを振り返って

 リチャード とても充実したキャンプを過ごせてます。最初から結構振り込んで疲れもあるんですけど。疲れも取れてきたと思いきや、また振り込んでと。今までで一番濃い日々を送ってます。

 ――王会長から最近はどんな言葉を

 リチャード 打撃練習でも1球1球切り替えて、集中して打つことをアドバイスしてもらいました。1球打つたびに、ホームランでもゴロを打っても、切り替えて「はい次のボール」みたいな。いい感じに集中できたので、これからもやってみようと思います。試合の打席でも大事になるから、切り替えて打てと言われました。

 ――王会長はどのような存在か

 リチャード とてもすごい人でリスペクトしてますし、その場と雰囲気に合った、すごくいいアドバイスをくれます。教えるのもとても上手で分かりやすい。ありがたい存在ですね。

 ――接しやすい雰囲気

 リチャード 話しやすくしてくれるのは感じます。この前もオフの日に(チーム宿舎の)食堂に行ったら王会長がいたんです。急いでご飯を食べ終わって、王会長も食べ終わったくらいの時に「横いいですか」と言って。「いいですよ。来なさい、来なさい」と言ってもらいアドバイスを聞きました。

 ――どのようなアドバイスをもらったのか

 リチャード「できると思ってやりなさい」とか。あとは、音楽のドラムの人がいるじゃないですか。僕はバットを強く握り過ぎだから「あの人たちってバチを握る時に指先で握るでしょ」って。しなりを出すためにという話を聞いて、確かにと思いました。今回のクールはずっと意識してましたね。「ドラム打法」とか思いながら。

 ――長い時間話した

 リチャード 食堂が2時までだったんですけど、2時半くらいまで話をしてもらいました。時間をオーバーして、食堂の人に「すみません。そろそろクローズするので…」って帰されたんですよね。「何なら俺の部屋で話したいくらいだよ」とも言ってもらって。

 ――すごく充実した時間になった

 リチャード 本当にありがたかったです。

 ――ちなみにオフの日は何を

 リチャード 休みは疲れているので、気が済むまで寝て。時間を気にせずにノープレッシャーで過ごしてます。起きてユーチューブを見たり。

 ――どんな動画を見ている

 リチャード 先日はホークスの歴史を見ました。ホークスの日本シリーズの全試合みたいなのがあって。それを見た時には、めっちゃ強いなと思って。これはやらかせないなと思いました。

 ――自分も早く立ちたいと思いを巡らせて

 リチャード すごく緊迫した試合というのを見ていて感じました。そういうのを見て、自分はまだまだだなと思いましたけど、立ってみたいなとも感じました。

 ――昨年末、今季の目標としてペイペイドームでの一発を挙げていた

 リチャード ホームランを打ちたいのは変わらないですけど、チームの勝利を優先していきたいですね。今は開幕一軍を目指して、シーズン通してチームの勝利に貢献できるようになりたいです。