広島・森下暢仁投手(23)が21日の阪神との練習試合(宜野座)で先発し3回無失点の好投で上々のスタートを切った。今季初実戦となった右腕は初回、注目の大型ルーキー・佐藤輝に右中間への二塁打を打たれて走者を背負うも4番・陽川を空振り三振に仕留めて好発進。2、3回も走者を背負ったが、最速152キロの直球を軸とした投球で虎打線を零封した。

 投球を振り返った右腕は「一つ一つの球種はしっかり試せた。ファウルを取れるときもあれば、捉えられるところもあったので、いろんな工夫をして取り組んでいきたい」とさらなる精度の向上を課題に挙げた。なかでも2打数1安打だった佐藤輝に対しては「しっかり踏み込んでくる。いい打者だと思う。シーズンでは対戦する場面がたくさんあると思うので、工夫しながらやっていきたい」と警戒感を示した。

〝最大のライバル〟の登場で気持ちはすでに戦闘モードに入っている。右ヒジの手術明けで二軍スタートとなっていた大瀬良大地投手(29)が20日から一軍に合流し即ブルペン入り。エースの順調な回復ぶりは首脳陣を安堵させたが、同時に自身初の開幕投手を狙う森下の競争心にも火を付けた。

 この日の好投にも満足する様子はなく「競争して食らいついていきたい。自分の持っているすべてのものを毎回出していきたい」と意気込む森下。尊敬する大瀬良、九里に競り勝ち大役の座を射止めるため、今後も結果にこだわっていくつもりだ。