開眼なるか――。巨人・原辰徳監督(62)が21日の沖縄キャンプで、小林誠司捕手(31)にマンツーマン指導を行った。

 熱のこもったレクチャーが始まったのは午後のフリー打撃中だった。ティー打撃に取り組む小林のもとへ、指揮官自ら歩み寄るとノックバットを手に身ぶり手ぶりを交えて10分以上も助言を送った。

 昨季の小林は試合中のアクシデントで2度の骨折に見舞われ、出場はわずか10試合にとどまった。現在は大城や炭谷、岸田との捕手争いの真っただ中にあるが、指揮官の守備面での評価は「やっぱり彼がマスクをかぶれば安定感はある。キャッチャーとしての資質の高さというのは、我々は認めているところ」と変わらず高いものだ。

 だが、ネックとなるのは長年の課題として指摘される打撃面についてだ。昨季の打率は1割にも満たない5分6厘(18打数1安打)…。目標とすべき打率を問われた原監督は「試合に出ることの方がもっと大事だ」と前置きした上で「しかし、1割台じゃダメだよね、バッティングは。1割台っていうのは10の1だもんな。まあ、2割5分とは言わんけどね。2割…ってことは5の1だもんね。4の1(2割5分)とまでは言わないけどさ(笑い)。せめてやっぱり2割3分は打ってほしい」とハードルを設けた。

 8年目の小林が、その2割3分以上をマークしたのは2014年(2割5分5厘)と19年(2割4分4厘)の2度。期待の表れとも言える指揮官直々のレッスンで打撃向上のキッカケをつかめるか。