ソフトバンク宮崎春季キャンプ(生目の杜運動公園)で15日、初の紅白戦が行われた。野手では上林、リチャード、三森が一発を放つアーチ競演。栗原、釜元にも長打が出るなど、ここまでのキャンプを象徴するように若手野手陣が仕上がりの良さを見せた。

 一方、投手陣でアピールに成功したのが初の開幕ローテ入りを狙う7年目の笠谷俊介投手(23)だ。白組の2番手で3回からマウンドに上がると、2回を投げて一人も走者を許さないパーフェクト投球。打者6人に付け入る隙を与えない投球で順調な調整ぶりを印象づけた。

 前のクールのシート打撃までは納得のいく投球ができなかった。そこで対戦した打者に直接、質問。打者目線で課題をあぶり出した。わかったのが「正面を向くのが早かった」こと。そこで投球時に「(胸を開かない)横の時間を長くすることを意識」し、修正、改善を図った。

 150キロ超の速球が持ち味の左腕だがこの日の最速は145キロ。「コントロールは良かったけど、球の強さがまだない」と自己評価は「60点」と辛めだったが、方向性が間違っていないことを確認できた実戦に笑顔も見られた。

 調整が順調な石川、和田に、先発復帰が濃厚な高橋礼に続く先発枠争いが注目を集める。「去年(一軍で)経験させてもらって『今年は何とか先発で』という思いは強い」

 昨季は中継ぎでスタートして、後半に念願の先発機会を与えられた。今年は開幕から「ローテ入り」のチャンスが目の前にある。貴重な左腕の一人で、首脳陣の期待も大きい。7年目の大役を何としてもつかみ取る。