巨人の宮崎春季キャンプで大きな注目を集めている桑田真澄投手チーフコーチ補佐(52)が、着々と〝登板準備〟を進めている。

 6日から一軍に合流し、次期エース候補の戸郷や若手投手陣に積極的な指導を行う一方で、全体練習終了後は〝自主トレ〟に取り組んでいる。その目的は打撃投手としての登板。ブランクもあるだけに「そんなに早く肩はつくれないよ」と苦笑いしつつも「沖縄に行って投げられるぐらいにしたいですね」と語っていた。

 一軍は15日に沖縄入りし、翌16日から「S(スペシャル)班」と合流して2次キャンプをスタートさせる。桑田コーチもある程度の目標を定め、宮崎で下地をつくってから沖縄へ乗り込むつもりだ。

 現役時代は徹底的な走り込みを行い、ジャイアンツ球場の外野の両翼間を数え切れないほど往復した。いつしか桑田コーチが走った部分の芝はすり切れ「桑田ロード」と呼ばれたほどだった。もちろん、現在の練習量は比べものにならないが、当時をほうふつとさせるようにサンマリンスタジアムの外野でポール間を走り、7日にはPL学園の後輩で昨季引退した吉川大幾氏(現スコアラー)とキャッチボールもこなした。

 チームは11日から宮崎キャンプの最終クールに入る。15年ぶりに巨人復帰を果たし、恩師である藤田元監督がつけた背番号73を〝継承〟。元エースの雄姿がよみがえる瞬間が近づいている。