DeNAに新加入した“キューバの至宝”ユリエスキ・グリエル内野手(29)が2日、横浜市内での入団会見後に、西武ドームで行われた一軍練習に参加した。合流を心待ちにしていた中畑監督ともガッチリと握手。しかし、そんな新助っ人にとって最大の懸念材料が指揮官との相性だったという。グリエルに近い関係者は「グリエルは中畑監督のことをまったく知らなかった。キューバ代表のビクトル・メサ監督に近いタイプと聞いて頭を抱えていた」と証言する。

 2013年のWBCでもキューバ代表を率いた名将・メサ監督は喜怒哀楽が激しく、ベンチで常に大声を張り上げることで有名。国際試合でも対戦相手国を怒らせる失言も多く、思ったことをすぐに口にしてしまう中畑監督と同タイプ。しかも中畑監督は、采配批判した中村に二軍降格を命じるなどチームの秩序を守ることに頑固な一面がある。前出関係者によれば、天才肌で自分のプレーに集中したいグリエルにとって、中畑監督はやや苦手なタイプの指揮官だという。

 それでもキューバ政府からお墨付きをもらい、正規ルートで海外移籍を果たしただけに、グリエルは「セペダ(巨人)と2人でキューバの選手たちへの(海外への)扉を開ける責任がある」とパイオニアの自覚は十分。中畑監督に「(2004年の)アテネ五輪で対戦している」と言われると、笑顔で「ハイ。覚えています」と応じる“大人の対応”も見せた。

 この日のフリー打撃では41スイング中10本の柵越えを見せると、二塁と三塁の守備練習でも華麗な動きと強肩を披露。これには指揮官も「打つのも守るのもカッコいい。(一軍デビュー戦の)6日の日本ハム戦(横浜)はサードで。打順は1回に回ってくるところでチャンスを作ってほしい」と「3番・三塁」でのスタメン出場を明言するほれ込みよう。“使用上の注意”さえ間違えなければ、グリエルがDeNAの救世主となりそうだ。