広島・森下暢仁投手(23)がマエケン直伝の変化球を試投した。キャンプ第2クール初日の6日、今キャンプ3度目となるブルペン投球を行い変化球を交えて106球の投げ込み。持ち球のカーブやチェンジアップに加え、新たに習得を目指すスライダーとツーシームを投じた。

 憧れの投手からの直伝だ。今年1月、沖縄での自主トレ期間中に同じ施設で練習を行っていた前田健太投手(32=ツインズ)から握りと投げ方を伝授された。導入の意図は明確。大きな横滑りのスライダーで空振りを取り、ツーシームで右打者の内角を攻める。他球団の研究のさらに上を行くためのスキルアップが目的だ。

 まだテスト段階とあって森下本人は「教わったといえるだけの球ではなかった。全然しっくり来ていない。もう少しキャッチボールなどでイメージしながらやっていきたい」と改善の余地ありと判断したが、球を受けた石原貴は「スライダーの曲がり方はいいと思うし、ツーシームも動いている。カットボールも小さく動くし、そこにもう一つ、中間球が入れば打者は迷う。リードもしやすくなる」と効果を口する。

「今季だけじゃなくて、野球をやる上で必要になってくるときがきたら…」と数年先を見据えた上での取り組みで早期のマスターを目指しているわけではない。ただ、今以上に球種が増えれば鬼に金棒となることは間違いない。