〝危機管理の鬼〟が本領発揮だ。巨人の宮崎春季キャンプは3日に3日目を迎え、石川慎吾外野手(27)が捕手練習に取り組んだ。

 投手陣が投球練習を行うブルペンに、捕手の大城や岸田と並んで見慣れないイケメンの姿があった。高校時代に捕手の経験もある石川だ。プロテクターやマスクをしっかりと装着し、戸郷と大江の投球を次々とミットに収めた。巨人でも以前に捕手の練習を行ったこともあるが、石川にとっても久しぶりのマスク姿となった。

 この狙いについて、原辰徳監督(62)は「まあ、危機管理というぐらいですね」とし「(チームが)困った時に一人いてくれるとね。チーム、ゲームを動かす上において非常に重要なパーツであるというところはある」と説明した。

 捕手陣には大城や小林らのメンバーがいるが、長丁場のペナントレースではどんなアクシデントが起きるかは分からない。試合中でも捕手のベンチメンバーを使い切った状態で、故障など突発的な事態が起きればチームは大混乱に陥ってしまう。そうした有事にもすんなり対応するために、石川が外野手兼捕手として待機していてくれていれば、首脳陣としても心強いというわけだ。

「少しずつ練習はね。準備だけさせないとね。ゲームでいざ『やれ』って言ってもできないことなので」と指揮官。昨季は野手の増田大を緊急登板させるなど、あらゆる事態を想定しながら危機管理を怠らないのが原流だ。