無観客とはいえ大丈夫なのか。ヤンキースからFAとなっていた田中将大(32)の8年ぶりの復帰で沸く楽天だが、関係者の間では早くもある問題に不安を募らせている。

「マー君見たさ」に2月1日から始まる春季キャンプ地(沖縄・金武)に熱狂的ファンが殺到する可能性があるからだ。

 今春の楽天キャンプは沖縄県が現在、新型コロナウイルス感染拡大防止策として独自の緊急事態宣言を発令しているため無観客で行われることが決定している。本来であれば球団側は観客への対応に気をもむ必要はない。だが、田中将は世界を股にかける現役バリバリのメジャー右腕で、楽天ファンにとっては涙の日本一の立役者でもあるレジェンド的存在だ。そんなスーパースターが8年ぶりの古巣復帰でキャンプ地に参上となれば、地元住民やファンらが近隣に押し掛けることは十分考えられる。コロナで移動の自粛が叫ばれている現状そっちのけで、沖縄入りを敢行する熱狂的なファンだっているかもしれない。

 仮に球場周辺にそんなファンらが大集結すれば周辺道路の通行に支障を及ぼすばかりか、とんでもない「密状態」となり、新型コロナの感染拡大にもつながりかねない。何か起こってからでは手遅れになるため、球団側は今後、グラウンド内外に神経をとがらせる必要が生じてしまう。

 あるチーム関係者もキャンプ地の実情を踏まえ、こう不安をのぞかせる。

「キャンプ地のメイン球場に続く道は限られているので、ファンや地元住民に改めて無観客を周知徹底すればファンの来訪は抑えられるはずです。ただ、球場周辺は広大な畑が点在していて、少し離れた場所に車を止め、そこから徒歩であれば球場外に到達できてしまう。そういったファンが現れた場合、どう対処していくのか。みんなマー君の生の姿を見たいでしょうから、そのあたりが気になります」

 キャンプ地のフィーバーと言えば、西武・松坂大輔や日本ハム・斎藤佑樹の1年目が有名だが、今回の田中将の電撃復帰はそのインパクトを凌駕する可能性も秘める。

「マー君フィーバー」が杞憂に終わることを祈るばかりか。