ソフトバンク・栗原陵矢捕手(24)が「吉田式」で進化を目指す。

 26日、福岡・筑後市のファーム施設で長崎自主トレで師事した中村晃外野手(31)らと練習。このオフは尊敬する先輩からスランプ脱出法を積極的に聞き出すなど、さらなる飛躍を誓う今季への準備に抜かりはない。

 どん欲な姿勢のベクトルは、同郷の先輩にも向けられた。年始に地元・福井に帰省した際、オリックス・吉田正尚外野手(27)と食事を共にする機会に恵まれた。相手は昨季のパ・リーグ首位打者。「そんなに深い話はしていない」というが、吉田が明かしてくれたあるルーティンの内容が収穫だった。

「打撃練習ではセンターに大きい打球を打ちにいくことを意識しているということだった。どっちかというと僕は引っ張り意識の打者なので、そういう意味でもう少しセンターを意識して打ちたいと思いました。1月の自主トレもそうですし、ちょっと反対方向という意味で取り組んでいます」

 昨季の17本塁打、73打点はいずれも柳田に次ぐチーム2位の好成績だったが、打率は2割4分3厘と伸ばせなった。首脳陣から求められているシーズン通しての「打撃の安定」につなげるべく、吉田正の言葉をヒントにバットを振る毎日だ。

 今季はシンプルに「全試合出場」を目標に掲げる。真のレギュラー定着へ「(吉田正さんは)目指すべきところ」。非凡な打撃センスに成功者のエキスを加えて、今年もシ烈な競争に挑む。