ソフトバンクのドラフト3位ルーキー・牧原巧汰捕手(18=日大藤沢)が、春季キャンプで〝聞き魔〟になることを宣言した。「聞いて損することはない。聞かなかったら損しかない」。12球団屈指のタレント軍団の一員となった18歳は「2・1」を前に自らに〝裏テーマ〟を課した。

 新人合同自主トレ第4クール初日の22日、筑後ファーム施設での初のフリー打撃で快音を響かせた。「僕はホームランが一つの基準。こちら(福岡)に来てから一本も出ていなかったので、ホッとしました」。メイン球場の右翼席へ放った待望の〝1号〟を思いのほか喜んだ。工藤監督、小久保ヘッドコーチが西武・森にダブらせて注目する逸材は、非凡な打撃センスを着々とアピールしている。

 そんな牧原巧は、心構えも見上げたものがある。「自分から聞きに行かないと教えてもらえない。聞きづらくても勇気を出して聞きに行くつもりです。キャンプではしっかりコミュニケーションを取りたいと思っています」。同じ左打者の柳田、長谷川、中村晃らへの突撃をすでにもくろむが、偉大なレジェンドにもアタックすることを明かした。「野球のことを全部知っている方」と尊敬する城島健司球団会長付特別アドバイザー(44)だ。捕手としても打者としても「全部聞きたい、本当に。聞けるなら全部聞きに行きます」と、宮崎では気後れすることなく何度でもアタックするつもりだ。

 18日にファームを視察した際、城島アドバイザーは新人への助言について「送らないです。『お金いっぱい稼げよ』と言います」と、比重の大きいフロントマンとして一歩引いた視点で見守ることを強調していた。それだけに「待ちの姿勢」では金言を授かるチャンスは少ない。初のキャンプインを目前に胸を膨らませる牧原巧。〝聞き魔魂〟でジョーのエキスを吸収する。