中日の開幕投手候補に9年目左腕・松葉貴大投手(30)が急浮上した。

 20日にオンラインでの12球団監督会議後、与田剛監督(55)は名古屋市内の球団事務所で報道陣に取材対応。今季の開幕投手について「候補としては大野(雄)が筆頭にいる」と言いながらも「ここに福谷であり、柳であり、この間、松葉も『開幕狙ってますから』って(言ってきた)」と明かす。

 沖縄春季キャンプの一、二軍の振り分けを決めるスタッフ会議が14日にナゴヤ球場で行われたが、その際、選手たちの自主トレを視察していた与田監督に松葉が直訴したとみられる。指揮官は「僕は真剣に受け取りましたからね。そういうことで冗談を言う選手たちではないし、新たな気持ちで自分たちが今年、何をしたいのか、そういう言葉を聞かせてくれてうれしかった。『よし、本気で狙えよ』という話をした」と力説する。

 昨季11勝6敗で最多奪三振と最優秀防御率の2冠を獲得し、沢村賞にも輝いた絶対エース・大野雄が、広島との3・26開幕戦(マツダ)のマウンドに上がる資格は十分だが、2カード目の本拠地バンテリンドーム開幕戦となる巨人戦にぶつける可能性もある。

 そうなれば、2週間後の4月13日からの巨人3連戦でも竜の沢村賞左腕にG叩きを任せられるとあって与田監督は「十分、日程が出た時点で、それも一つ考えていた。じゃあ、開幕の広島に誰がいけるのか、そういうことも考えた。開幕投手というステータスと、シーズンを通していい成績を残すことと、両方いろいろ考えながら。あとは選手の気持ちもあるし、いろいろ相談していかないといけない」と思案中だ。

 その上で開幕投手は「実績で考えたら大野の名前はすぐに挙がるけど、この(監督就任)2年間、見てきた疲労が今年、どうなのか。準備がちゃんとできるのか。最低でも開幕の1か月前には通達しないといけない。迷えたら楽しいですね。たくさん迷える名前が出てきてほしい」と競争をあおるが、大野雄以外となれば、直訴の松葉も含めて誰が勝ち取るのか目が離せない。