拳闘から学んだ中日の又吉克樹投手(30)が今季の健闘を誓っている。

 又吉は8日から13日まで訪れていた鳥取のトレーニング研究施設「ワールドウィング」でボクシングの元WBC世界スーパーバンタム級王者の畑中清詞氏の長男、日本スーパーフライ級1位・畑中建人(22=畑中)と対面。練習を目の当たりにし「シャドーを見たけど、びっくりした。僕たちの投球フォームで言えば、右腰を止めるなんてありえない。ジャブを打つ時に(右腰を)止めて、切り返して打つのを見て、体ってこんなに速く動くのかと。もっとできそうだなというイメージと、いい刺激をもらいました」と興奮気味に話す。

 競技は違えど、体の使い方を応用することは可能だという。特に気になったのは〝腰のキレ〟で「今年は〝体がキレてるな〟というランクをもう1個上げられるなと感じた。あれぐらい動きたいなというのは正直ある。そこは妥協せずにしっかり求めていきたい」と意気込む。

 新型コロナ禍の影響で何かと制約が多い中、頑張っているのはボクシングも野球も同じ。又吉は「コロナが落ち着いてオフにタイミングが合えば(畑中の)試合を見に行ければ。いい存在に出会えた」と言い、リーグVへの貢献を目指す上でのモチベーションにもなっている。

 昨季は左脇腹を痛めて一軍を離脱するなど26試合の登板にとどまり、不本意な成績に終わった。「最多登板」を今季の目標に掲げる又吉は「しっかり1年間働いて、ここ何年か年俸が下がっているので、しっかり巻き返したい。いい意味での便利屋として最後の最後にやっぱり又吉が投げてくるんだと相手に思われるシーズンにしたい」と目をギラギラと輝かせている。