巨人の絶対的エース・菅野智之投手(31)が14日、東京都内の待機先で球団と書面のやり取りなどを通じた契約更改交渉を行い、プロ野球史上最高額となる単年8億円でサインした。ポスティングシステムを利用したメジャー移籍を目指したものの残留となったが、プロ野球の歴史に新たな「金字塔」を打ち立てた。

 昨季、菅野は14勝2敗、防御率1・97と圧倒的な成績を残してリーグ連覇に貢献。そんな投手陣の大黒柱へ、球団側も最大限の敬意を表し、これまで最高とされていた2003~4年のペタジーニ(巨人)の年俸7億2000万円を大きく上回る額を用意した。

 菅野は「やっぱりそれだけプレッシャーもありますし、その金額に見合った活躍をしないといけないな、と身が引き締まる思いです」と神妙な面持ち。それでも「なかなか野球離れが加速しているなかで、夢のある数字だと思います。自覚のある、責任のあるピッチングであったりとかそういうのをしていけたらなと思います」と球界を背負う大投手としての自負にも言及した。

 視線はすでに日本一奪回に向いている。昨季はソフトバンクに2年連続の4連敗を喫したが自身初の日本一に闘志を燃やす。「残念ながら日本シリーズは負けてしまいましたけど、またチャレンジできるチャンスをいただいたと思っているので、すべて前向きにとらえて。今はもう目の前の日本一しか考えていないです」

 メジャーの夢も終わったわけではない。今年32歳を迎えることで不安説もささやかれるが、当の本人は「全然何ひとつ満足しているものはなくて、まだまだパフォーマンスも上がると思いますし、成績的にももっともっと良くなると思っています。それは本気で思っています」と一蹴し、続けて「まだまだチャンスを失ったわけではないので、今年しっかりまずは日本一というのを常に考えながら。今年が終わったオフにはもう一回メジャーリーグに挑戦できるチャンスがあれば、そこでまたチャレンジしたいなと思っています」と再挑戦を示唆した。最高の評価を受けた右腕が今季こそ「日本一」をチームにもたらす。(金額は推定)