早くも〝桑田節〟が全開だ。巨人に新入閣したばかりの桑田真澄投手チーフコーチ補佐が、14日に行われた新人合同自主トレを視察した。

 2日前の12日に就任したばかりのレジェンドOBは、この日がコーチ業としては〝初仕事〟。ジャイアンツ球場を訪れるのも「覚えていないぐらい久しぶり」だったそうで「引退してからずっと外から野球を見ていましたので、久しぶりに中に入ると勝負の世界の緊張感を少し感じました」と実感を深めた様子だった。

 現役引退後も野球の研究を続け、長らく評論活動を行ってきただけに現場で届けたい思いや考えは山積みだ。まず強調したのが〝焦りは禁物〟という点で「チーム方針はあると思うんですけど、個人的には一軍に上がる早さよりも、しっかりと鍛えて土台づくりをして一年でも長く活躍してもらいたい。新人の選手には2、3年かけてもいいというふうに、これから彼らにも伝えたい」とメッセージを発した。

 さらには、職業とする野球との向き合い方だ。「野球はやっぱりうまくならないと楽しめないので。早くうまくなって野球を楽しんで、そして一軍でも活躍してもらいたい」。また、現役時代にトミー・ジョン手術(靱帯再建術)を受けた経験から、昨年6月に同様の手術を行ったドラフト2位・山崎伊織投手(東海大)に向けても言葉を投げかけた。

「この手術の一番難しいところは復帰までの時間が長い。この長い期間、技術的、体力的よりも精神的な苦痛がすごく大きいと思いますので、サポートを僕ができたらいいなと思っています」

 コーチとしても目指すべきところは、現役時代と変わらず「日本一」だ。桑田コーチは「どんな形でもいいので力になりたい、貢献したい。(他のコーチから)たくさん学ばせてもらいながら、情報交換をしてチームの課題と強化策を一緒に考えていきたい」と意気込んだ。

 自主トレ期間中のため指導はできないが、今後の手腕が注目される。