中日の山本拓実投手(20)が〝福谷門下生〟として張り切っている。

 今オフは昨年10月から同僚の福谷浩司投手(30)に紹介してもらった三重・津市のみどりクリニックに週1回のペースで通っており、年明け7日から3日間の合宿も敢行した。

 昨年のシーズン中に投球の際、ヒザが前に出て腰がそってしまい、肩に力みが入ったり、インステップするなどの悪癖を発症。そのせいで3年目にして開幕ローテ入りしながら先発では5戦で1勝3敗と結果を残せなかった。「開幕するときはかなり完成されたという過信があったけど、シーズンに入るとうまくいかなかった。(投球フォームが)ズレていると気づいて、ちゃんと自分に向き合うようになったのがファームに落ちた夏ぐらいだった。自分の力が、ただ足りないと思っていたけど、何が足りないのか、理由が全然分からなかった」と振り返る。

 そんな山本が頼ったのは昨季にエース・大野雄に次ぐ8勝をマークした福谷だった。「福谷さんが復活された姿を見てきた。苦しいときに何をすればいいかと思ったときに、福谷さんのトレーニングしている姿が浮かんだ。ファームに落ちたときに思い切って相談したら『2年前から行っている施設がいいよ』って教えてもらえた。信じて続けていきたい。今のことをやっていればこうなっていくというビジョンを見ながら練習ができている」と打ち明ける。

 12日はナゴヤ球場に隣接する室内練習場のブルペンからネットに向かって約40球を投げ込んだ。

「20、30球目まで感触は良かったけど、それを過ぎると、元の癖が出てしまった。まだ意識しないとできないので、それが自然にできるのが一番いい。今年こそはもう一度開幕ローテをつかみとって1年間しっかりローテを守って、2桁勝利を挙げて、チームの日本一に貢献したい」。山本は〝福谷師匠〟のように大ブレークを果たすつもりだ。