リーグ制覇を狙うオリックスが目指すもう1つの日本一

2014年05月03日 16時00分

過去のデザインを見つめる後藤グループ長

 リーグ制覇を狙うオリックスが、それとは別の“V”も目指している。球団の宣伝担当者が照準を合わせるのは、オフに行われる野球殿堂博物館主催の「日本野球ポスター展」。ポスター製作に力を入れているオリックスは昨年の同展の人気投票による順位で10位。今季はさらに斬新なアイデアで一気に1位を、というのだ。

 

「日本野球ポスター展」は昨年からスタート。野球殿堂博物館がプロ12球団をはじめ、アマ球界からも幅広く1年を通じて製作した告知・イメージポスターを募集し、えりすぐりをオフに博物館に展示する。来場客が気に入った作品に投票し、年明けの1月に上位10点を決定するというものだ。「プロアマ問わずに、こういう企画ができるのはここだけ。シーズンを振り返るようなものになればいいですね」(同博物館の担当者)

 

 前年度は62点が出品され、総投票数は2898票。日本一に輝いた楽天や、巨人、WBC関連が上位を占め、オリックスはシーズン後の“感謝ポスター”が10位に食い込んだ。球団の企画事業部の後藤俊一宣伝グループ長は「監督、コーチ、チアガールを含めて感謝の思いで作りました。シーズン最後のもので“ありがとう”というメッセージっぽい感じが分かりやすかったのでは、と思います」と分析する。5年連続Bクラスの5位に終わり、しかも東京ドームのお膝元の博物館とあって“アウェー感”もある中での10位。健闘と言えなくもないが、これに甘んじてはいられない。2年目の今年は一気に頂点を狙うつもりだ。

 

 オリックスでは年間を通じて20~30種類のポスターを製作している。「かっこいいもの」にこだわる一方で劇画調、戦隊ヒーローのコスプレなど「外れたこと、オモロイことをできるのもウチの強み。巨人さんではやらないこともできる」(後藤グループ長)と柔軟な発想を持ち合わせ、ユニークな作品を発表してきている。

 

 5月5、6日のロッテ戦(京セラドーム)の告知ポスターでは「キッズデー」としてウルトラセブンが登場。これはパ・リーグ連盟と円谷プロによるコラボ企画「親子ヒーロープロジェクト」で、ウルトラ兄弟が1人ずつ6球団にモチーフとして振り分けられた。オリックスの“担当”がウルトラセブン。そこで後藤グループ長はポスターの「オリックスVSロッテ」の文字を懐かしのテレビドラマの書体に似せ、何ともレトロな風合いを表現。ナインとセブンによるインパクトある作品を完成させた。もちろん出品候補の1つになるはずだ。

 

 まだシーズンが始まって1か月だが、後藤グループ長には、とっておきのアイデアがある。選手不在の“フィギュア作戦”だ。「30センチくらいのフィギュアを1体ずつ作って登場させるんです。市販するのではなく、ポスターやビジョン、広報誌なんかにも。去年からコツコツ作り始めています。もちろん、主役は選手なんですけど、その主役をポスターに使わないとなるとどうなるのか…。そういう遊びも入れながらやりたい」。話題になれば市販を希望する声も湧き起こるはずで、優勝ならフィギュアだけの胴上げポスターもできるかもしれない。

 

「阪神さんなんかは、あんまりポスターを街で見掛けないでしょう。作らなくてもお客さんが入りますから。でもウチはそうはいっていられない。いろんなことを試していかないといけない。少しでもポスターを見て、お客さんに球場に足を運んでもらい、チームも日本一、ポスターも日本一になれれば、協力してくれた選手にもお客さんにも恩返しできます。やるからには1位を狙いたい。2冠王を達成したいですね」と後藤グループ長。ペナント同様に“ポスターレース”も勝ち抜く覚悟だ。