エラーなし!坂本変身させた井端の存在

2014年04月24日 16時00分

守備の安定感も格段にアップ。ただいま失策ゼロの坂本

 巨人が23日のDeNA戦に4―1で勝ち、3連勝を飾った。2年ぶりに開催された鹿児島での公式戦でお立ち台に立ったのは坂本勇人内野手(25)。再三の好守に、2盗塁も決め、均衡を破る決勝2点適時打と走攻守に大活躍だった。今季は安定したプレーが目立っているが、その裏には“あの男”の存在があった。

 

 坂本にとって鹿児島は、2年前のDeNA戦で5打点を叩き出したゲンの良い土地。この日も同点の7回一死二、三塁で2点適時打を放って上がったお立ち台では「鹿児島の空気が合っているのかも。もっと鹿児島で試合を開催できるように球団にお願いします!」と叫び、ご当地ファンの大歓声を浴びた。

 

 そんな若武者の活躍を、原監督は目を細めて「(チームを)けん引してくれている。素晴らしい」と絶賛した。開幕前から苦しんでいた打撃不振を脱し、8試合連続安打で打率は3割1分3厘まで上昇。8盗塁も堂々のリーグ単独トップだ。

 

 そして何より、今季は堅実な守備も光っている。この日も2併殺に絡み、相手の攻撃を断ち切った。ここまで22試合を経過して失策はゼロ。かつてはセの“失策王”と呼ばれたこともあったが、今となっては信じられない変身ぶりだ。

 

 そんな坂本の成長を語る上で欠かせないのが、今季から同僚となった井端の存在だ。2人は昨年のWBCで意気投合し、坂本は以降「井端モデル」のグラブを使い始めた。キャンプで本格的に“弟子入り”すると、13歳年上の名手から守備のノウハウを学んできた。

 

 今季の開幕直前には、こんな出来事があった。3月12日のロッテとのオープン戦後、井端自身が使用していたグラブを坂本にプレゼント。さらに井端は開幕後にも、わざわざ自分で“型”を付けてから、坂本に同じ色の新品グラブをプレゼントしている。同じグラブを使うからには、球を収める位置まで学び取ってほしいという思いからのようだが、同じチームの一員とはいえ、そこまでやるのは異例のこと。このやりとりに周囲は「球界広しといえども、そんな話は聞いたことがない」と仰天したほどだ。

 

 井端はキャンプ中から「一番は試合に出ることが大事。でも球団が何を期待して自分を獲ってくれたか、そういうことも理解している」と話していた。「あいつは伸びる」と素質を認めている坂本のことは、ポジションを争う“ライバル”というだけでなく、自分の“後継者”としても見ている。

 

 そんな井端の熱意が伝わるから、坂本も応えようとして上達スピードが上がる。チーム関係者によれば「井端は打撃でも『長所は消すな』と勇人に助言しているみたい。最近得意の内角打ちが復活してきたのも、その効果じゃないか」という。

 

 この日、坂本と井端は久々にスタメンで二遊間コンビを組んだ。遊撃で生き生きとプレーする後輩の姿を見て、実は誰よりうれしく思っていたのは井端だったかもしれない。