プロ意識の高さは筋金入りのようだ。即戦力の呼び声高い広島のドラフト1位新人・栗林良吏投手(24=トヨタ自動車)は「新人王」を目標に掲げる一方で、起用法にこだわりはないと言う。大学日本代表のチームメートで、プロでは1年先輩の森下暢仁投手(23)は先発で10勝3敗、防御率1・91の好成績を残して昨季の新人王に輝いているのに、なぜなのか?
社会人ナンバーワン右腕の本音に迫った。
――マウンドでの感情表現が印象的だが、自分の性格を分析すると?
栗林 負けず嫌いなんだと思います。マウンドで人が変わるというのは無意識なんです。ただ、負けず嫌いな部分は持っていないと成長もないのかなと思います。
――名城大3年時に選ばれた大学日本代表で一緒だった森下の活躍は刺激になる?
栗林 そうですね。ただ、プロに入る前までは自分のことのようにうれしかったのですが、指名を受けてからはちょっとプレッシャーがでかいな…と(笑い)。自分も森下のような活躍をしていきたいと思っています。
――出身地・名古屋での中日戦は特に力が入りそうだ
栗林 特別中日に勝ちたいというのはないですけど、身近な方が見に来てくれる時はいいところを見せたいです。あと、これは巡り合わせなので何とも言えないところもありますが、成長した姿を見せて(中日に)「獲っておけばよかった」と思ってもらえるくらいの選手になりたいと思っています。
――起用法にこだわりはない
栗林 自分が活躍できる場所をわざわざ潰して、先発や中継ぎにこだわる必要はないと思う。自分が活躍できるならどこでもやりたい。自分の活躍によってチームの勝利に貢献したいです。
――ポジションにこだわりがないのは昔から?
栗林 中学、高校は野手をやっていて、投手を始めたのは投手がいなくてやらないといけないという状況になったから。チームのために…というのでやり始めた。そういう過去があるからなのかもしれないですね。
――1年目の目標
栗林 1年間ずっと一軍にいるということ。1年間一軍にいるということは、その分、勝利に貢献できているということだと思う。即戦力として入るからには開幕一軍というより、1年間しっかり一軍に帯同できるように頑張りたい。
――新人王への思い
栗林 新人の時にしか取れないので、もちろん取りたい気持ちはあります。森下が取って期待されると思うので。