スケールのデカい新人が遅れてやってきた。ソフトバンクのドラフト5位ルーキー・田上奏大投手(18=履正社)のことだ。昨年12月の入団会見は、母校での新型コロナ陽性者確認に伴う休校措置で欠席。6日にペイペイドームで一人ぼっちの入団会見に臨んだ。

 叔父で現・大産大付監督の秀則氏は2009年にベストナインにも輝いた元鷹の正捕手。同じ70番を背負うことが決まり「叔父さんより活躍したい。ファンの方をワクワクさせたい」と声を弾ませた。

 王球団会長も気にかける最速151キロ右腕は、昨年4月に外野手から投手に転向したばかり。公式戦登板はなく「未知数だが支配下でなければ獲れない」とフロントの肝いりで指名した逸材だ。独創的で個性的なキャラクターも魅力で、球団アンケートの「最近心を打たれたニュース、気になる出来事」との質問に、同期たちが野球関連の話題を書き込む中で「UFOがいると認められたこと」と記入。担当の稲嶺スカウトが「心配になってきたな…」と笑う不思議な18歳だ。

「UFO」の3文字に敏感な本紙記者が真意を問うと「夢があるじゃないですか」と切り出し、真顔でこう続けた。

「去年(4月に)米国防総省が映像を公開した。それでやっぱりな…と。ずっといないとか、不可能だ、とされていることが覆る。そういうドキドキ、ワクワクがいい」

 人の想像を超える、前人未到の領域に立つロマンに惹かれるという。UFOを目撃したのは中2の時で「緑色と紫色っぽいのがグワーッと僕の前で回ってて、それが一瞬で消えたんです。(近隣の)住之江ボートの反射かなと思ったけど、そんな光じゃない。だから僕はずっと信じている。UFOも宇宙人もいない、と説明する方が難しいですよね」と最後まで真剣だった。

「誰も見たことない球を投げたい」と誓った鷹の隠し玉。いろんな意味で先が楽しみだ。