西武は6日に昨年10月のドラフトで指名獲得した新入団選手12人(支配下7人、育成5人)の一斉入寮を行った。

 中村、山川に続く第3のヘビー級本塁打王候補、1位・渡部健人内野手(22=桐蔭横浜大)は「やっとプロ野球選手のスタートラインに立てた。寮はすごくきれい。自分の中で西武ライオンズの寮はボロボロのイメージがあったので、そこからすごくきれいになって野球に集中しやすい環境なんじゃないかなと思います」とコメント。新人たちにとってはもはや都市伝説となっている旧若獅子寮(2019年取り壊し)を引き合いに〝公民館から市役所〟へと変貌を遂げた現若獅子寮への満足感を語った。

 関係者が「以前の寮を知っている者からすれば、一度に12人の新人選手が入寮するというのは隔世の感がある」と述懐するように、旧寮の思い出は遠い昔のよう。新人へあてがう空き部屋がないからと山川ら大卒1年組が追い出され、17年の早実・清宮(日本ハム)面談ではその父・克幸氏に「施設の改善はいつになりますか?」と当時、築38年を迎えていた旧寮や室内練習場をディスられたりもしていた。

 スカウトらはメットライフドームに併設する球団事務所での入団会見後、選手の親御さんに施設を見られまいと旧若獅子寮を球場施設見学のルートからなるべく外し、苦心しながら所沢市内の食事会会場へ誘導することが当日の常だった。

 しかし、今や12球団最新の寮と室内練習場を有する西武はそんな後ろめたい過去と決別。堂々と選手の両親らに施設を公開し、現寮2期生となる12人の新人を迎え入れた。