自分の城は自分で守る――。ソフトバンク・松田宣浩内野手(37)が5日、鼻息荒く「三塁死守」を誓った。

 今年も福岡市東区にある大嶽神社での階段上りで本格始動。プロ16年目を迎える熱男は、109段ある急傾斜の階段と全長200㍍の坂道を何度も駆け上がった。「これだけ負荷がかかる練習はない。古き良き伝統」。昨年急逝した川村コンディショニング担当(享年55)に付き合ってもらった練習が今も糧となっている。下半身への負荷以上に内臓への負担が大きく、吐き気に襲われる。その苦しさに耐えて強い精神力を養ってきた。

 闘争心に火がついているのは、新年早々に工藤監督が昨季ブレークした栗原の三塁コンバート構想を披露したから。「何十年と守ってきた意地がある。そんな簡単じゃない。甘くないぞってところを見せたい」。幾度も助っ人砲と競争を強いられた過去もある。だが、決して明け渡さなかった「自分の城」。あおられるたびに強くなってきた自負があるだけに、腕をぶす。

「甘くない」と7度連呼した熱男。熱量は過去最大だ。