逆襲に燃える鷹の鬼軍曹が腕をぶしている。ソフトバンク・今宮健太内野手(29)がリーダー役を務める合同自主トレが、今年も1月上旬から福岡・北九州市で行われる。合同トレには昨年に続き高田、周東、川瀬が参加。他球団の選手も加わるが、同じチームで二遊間を主戦場とする4人が集まり、ともに汗を流すのは球界では異例と言える。

 今宮自身も「ヨソではないでしょうね」と言い切る。チームメートだが、ライバル。オフは競争相手と差を縮める、広げる時間だ。合同トレは容易にその差が確認できる機会となる。プロ野球は生き馬の目を抜く世界。オフの動きがライバルに筒抜けになることを嫌うことが〝散らばる〟理由の一つだ。

 今宮の真意は――。「体も変化してくるけど、考え方も変わりますよ」。今年7月で30歳を迎える。2018年以降、度重なる故障に泣かされた。昨季はレギュラー定着後ワーストの出場43試合。すでに逆襲に燃える姿がチーム内で話題になるほどギラついている。

 全試合出場へのこだわりは今も変わらない。だが「全部出る〝つもり〟でやる」と言う。「もう、そういう時代じゃないから」。万全の状態でも、自分が出ない試合が出てくると考えている。1人が1つのポジションを守る切る時代ではない。人一倍負けん気の強い男だが、質の高い選手が補い合うチームが強い――との考え方が広がっている。

 かねて先輩にも意見し、嫌われ役を買って出るタイプ。「周東だったり、川瀬だったり、気持ちの入りようが変わってくると思う。そこが変わってこなかったらダメ。現状、自分もヤバいと思っている。だから、強い気持ちで負けないように」。鷹の鬼軍曹は今年も先頭に立ち、競争心をあおりまくる。