オリックスが〝高校生ドラフト〟にも強気な姿勢を見せている。

 2020年は最速153キロ、189センチ右腕の1位・山下舜平大(18=福岡大大濠)をはじめ、2位の元謙太(18=中京)、来田涼斗(18=明石商)ら6人中4人が高校生で、育成枠を6人指名。昨年も1位の宮城、2位の紅林ら5人中3人が高校生で育成枠は8人を獲得している。

 24年間も優勝がなく、長年の低迷から浮上するしかないチームだけに「高校生ばかり獲って大丈夫なのか」「優勝する気あるの?」などとファンから不安の声も聞かれるが、フロント関係者は自信をのぞかせる。

「育成のオリックスですから方針通り。育つまで時間は多少かかるかもしれないけど、中嶋監督になってから中川、佐野、大下、杉本らが出てきている。モヤもよく打ったし、ジョーンズも日本に慣れてやってくれるはずだし、現有戦力で十分勝負になる。そこに宜保や太田が加われば十分上位を狙えますよ」と即戦力にこだわる必要はないと見ている。

 ソフトバンクの筑後ベースボールバークを参考にしたという舞洲の練習施設で若手をみっちり鍛え、数年後に一軍で実を結んでほしいというわけだが、一方でオリックスはこれまでも中長期スパンで育成に取り組んできており「育成、育成と言いながら24年も優勝がない。今からさらに何年も準備期間に入ることになるかもしれない」(球団関係者)とのため息も…。2年連続最下位で6年連続のBクラス。育成方針も結構だが、長年の低迷脱出こそ急務だ。