原監督も驚いた働きぶり! 巨人・元木ヘッドが明かす〝型破り〟参謀の心得

2020年12月31日 05時15分

主砲・岡本(左)の練習をチェックする巨人・元木ヘッド

 セ・リーグ連覇を成し遂げた巨人で「殊勲賞」クラスの働きを見せたのが、元木大介ヘッドコーチ(49)だ。さまざまなタイプの参謀はいるが、原辰徳監督(62)も一目置くその存在感は、まさに〝型破り〟。鋭い洞察力と絶妙なタイミングを駆使したコーチングには、元木ヘッドならではのポリシーが貫かれている――。


 ヘッドコーチといえば、参謀として監督の隣につくだけでなく、監督に代わってナインにゲキを飛ばす〝鬼軍曹〟の役割を担うのが通例だ。

 しかし、原監督が第3次政権2年目のヘッドコーチに指名したのが、当時48歳と若い、内野守備兼打撃担当の元木コーチだった。次世代の指導者育成が目的の一つだったが、「適材適所的な人事をすると『あ、こういうふうにチームは変わるんだな』というのはすごく勉強になった」(原監督)と、想定外の効果に驚いたという。

 一体、どこが違うのか。元木ヘッドがまず語っていたのは「誰かの見本とか、ヘッドコーチはこうであるべきだとか、俺はそういう言葉は嫌い。ヘッドコーチっていうのは(単なる)肩書だけ」。そして自身の立ち位置についてこう続けた。「ヘッドコーチだからと言って、ふんぞり返っているとかはない。みんなと一緒の気持ちでコーチをやっている。その中で野手も投手も言っていかないといけないし、監督にも直接言っていかないといけない立場。それは選手も敏感に見てるから」。

 従来のヘッドと最も違う点は、各部門のコーチ同様に自らも細かくアドバイスを送ることだ。例えば今季9勝(6敗)を挙げた新星・戸郷翔征投手(20)には、ある試合でこんなアドバイスを送っている。

 カウント2ストライクから1球外すサインに、戸郷の投げたボールはゾーンへ甘く入った。結果的にそれで三振となったが「『いいストライク』と『悪いストライク』があるんだよと。ただ、ストライクだからオッケーだっていうのは結果オーライであって、打たれたらもったいない。まだまだ若いピッチャーだし、もっとそういう気持ちで投げてほしいから、今のうちにと思って、すぐ言いに行きました」。

 このアドバイスするタイミングもポイントで「選手によってはね。カッカカッカする選手だったら試合終わってから言ったり、次の日に言いに行く。それは選手の性格を見てやっているつもり」という。逆にほめる時も同様だ。主砲・岡本に対しては、マメに声はかけるが「ストレス溜めてるな、熱くなっているなって時には話しかけない。(その場合、話すのは)練習の時に」だとか。

 個々の性格を把握し、投手野手関係なく叱咤激励する〝元木流〟は、ヘッドコーチとしてはニュータイプ。原監督も「あれだけヘッドコーチになって変わった、いい意味で、すごく」と成長をたたえている。

「選手だけに言って、監督にゴマすっているとか、それはヘッドコーチではない。監督にも意見言うし、怒られることもあるし、選手にも怒ることもあればほめることもある。そういうのが全部言えるのがヘッドコーチなんじゃないのと思っている」と熱く語った背番号77。来季も原監督とともに力強く引っ張っていく。