杉内コーチを男にしたい――。リーグ3連覇、日本一奪還を狙う巨人投手陣がより一層、結束しそうだ。

 理由は3年目を迎える第3次原巨人の来季組閣で杉内俊哉一軍投手コーチ(40)が就任したことだ。村田修一一軍野手総合コーチ()と共に「青年コーチ」が表舞台に立つこととなるが、球団には一軍で勝つための選手運用を学ばせることで、コーチを育成する狙いがある。今回の杉内コーチはダイエー、ソフトバンクでエースとして活躍し、2005年に沢村賞を獲得。巨人移籍後の2012年にノーヒッターも達成するなど、G投手陣から絶大な信頼を受けてきた。

 それだけに感謝の声は多い。今季サイドスローに転向した左腕・大江竜聖投手(21)は43試合に登板し年俸が3・5倍の2200万円(推定)と大ブレーク。その原点は18年1月、当時現役だった杉内コーチと鹿児島県内で励んだ自主トレだ。

「キャッチボールも勉強になる」と大江は目を輝かせていたが、その〝師匠〟は引退後、ファームコーチに就任。その後も師弟で試行錯誤を重ね、大江は結果を残した。

 同じく左腕の今村信貴投手(26)も「メッタ打ちされて二軍に落ちした時、杉内さんに〝落ち込んでいる暇があるんだったらその時間に練習しろ〟と厳しく言っていただいた。本当に感謝しています」と新たな恩返しを誓っている。

 一見クールな杉内コーチは、04年のロッテ戦降板後にベンチを利き手で殴り、左手小指を骨折。11年11月のCSファイナル・西武戦では延長10回に先制点を許し127球で降板すると、ベンチで涙を流すなど〝熱い男〟として知られる。

 そんな恩師のためにヤングGが一丸となって決起。期待してもよさそうだ。