DeNAの山崎康晃投手(28)が22日、横浜市内で契約更改交渉を行い、7000万円ダウンとなる年俸2億8000万円でサインした。サインした来季年俸に関して自らは「金額はダウンはダウンなんですけど、控えたいなと思っています」と明言しなかったものの入団以来、プロ6年目にして初の減俸となった。

 契約更改後の会見では「年間を通して本当にイレギュラーなシーズンが行われて非常に僕としても悔しい気持ちでいっぱいですし、来季に向けて体と心をしっかり準備して臨みたい」と自分に言い聞かせるように静かな口調でコメントした。

 昨季まで2年連続セーブ王に輝いた〝ハマの守護神〟が今季は開幕から苦しんだ。今季12試合目の登板となった7月26日の広島戦(横浜)では1点リードの9回からマウンドに立つも満塁本塁打を浴びるなど計5失点。以降、それまで不動だったクローザーの座を三嶋に譲った。10月に入ってからはプロ入り後初めて不振による二軍再調整も経験するなど今季は0勝3敗6セーブ、防御率5・68。それでも結果を冷静に受け止めながら「気の引き締まる思いで僕自身も来年に向かって行きたいなと思っていますし、新しい気持ちでしっかり準備して臨みたいなと思っています」と述べ、前を見据えた。

 コロナ禍にさいなまれた異例のシーズンについては「本当にイレギュラーでした。それこそシーズンが始まる前なんて、野球どころではないというか。生活するほうで選手のほうも本当にいっぱいいっぱいでしたし、その中でようやく開幕というところで最終的には5割以上、お客さんを招いてプロ野球を開催できたので。そういう意味では感染予防対策とコンディショニング…非常に難しかったですけど、まず一つ経験になったのかなと思う」と振り返った。

 そして「やっぱりファンあってのプロ野球というのをあらためて思った。『ヤスアキジャンプ』が本当に僕自身のモチベーションにも影響して、あのパフォーマンスも影響する部分が非常に大きかったと思う。来季は満員のお客さんの中でプレーできる環境をしっかり整え『ヤスアキジャンプ』でしっかり迎えてもらって、試合を頑張っていきたいなと思う」とも続けた。

 昨オフの契約更改交渉では将来的なメジャー挑戦を口にしていた。自身の胸中には「やはり強くありますね」と包み隠さずに明かし「どういうふうに今後なるのかは具体的に話せないですけど、野球人生をかけてどういうふうに進んでいっても自分のプレースタイルとやはりファンの皆様を大切にする姿勢、というのを忘れずに頑張っていきたいなと思いますね」と話した。

 来季は延期となった東京五輪も開催予定で、侍ジャパンのクローザーとしても活躍が望まれるが「まずはベイスターズのユニホームを着てしっかり活躍して、その上で結果を出して自信を持って胸を張って選んでいただけるようにやっていきたい」。その後はあらためて「新しく考えていることは特にないです。しっかり練習してしっかり開幕が迎えられれば、パフォーマンスを発揮できる自信はあるので」と言葉に力を込めた。

 三浦監督の新体制のもと〝小さな大魔神〟が今季の悔しさを胸にリベンジへ動きだす。(金額は推定)