ソフトバンク・周東佑京内野手(24)が18日、福岡市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、倍増となる年俸4000万円の球団提示を保留した。

 今季の周東はシーズン後半にリードオフマンに定着。50盗塁をマークし、育成出身選手として初の盗塁王を獲得した。さらには13試合連続盗塁の世界記録を樹立。コミッショナー特別表彰を受けるインパクトを残した。

 2000万円アップの評価に「金額に不満はありません」と答えた周東が、球団に訴えたのは走塁の価値向上。「見えないところでも、相手に重圧をかける部分でも、そういう面もすべて含めて走塁だと思う。盗塁だけじゃない。本塁打王や打点王、首位打者がクローズアップされやすいが、もっと走塁の価値を高めたい」。今後、韋駄天タイプの後進の出現も念頭に「もっと走塁という部分を見てもらえたら、より若い選手がどん欲になる」と、広い視野に立った上での考えも明かした。

 今オフ、牧原大成内野手(28)に続くチーム2人目の保留者。だが、周東が「前向きな話し合い」と言ったように、球団もネガティブには捉えていない。交渉終了後にリモートで取材対応した三笠杉彦GM(46)は「意見を戦わせたということはありません。査定としては評価している。特に、彼が塁にいることで相手に与える心理的プレッシャーというのは数字に表せようがないが、そういうことも踏まえて提示しています」と説明した。

「次は(判を)押す前提です」。韋駄天の思いは届くか――。(金額は推定)