【NPBアワーズ】7年契約1年目だから意味がある ソフトバンク・柳田「格別」のMVP

2020年12月18日 05時15分

MVPのトロフィーを受け取るソフトバンク・柳田㊧(代表撮影)

 プロ野球のタイトル獲得者らを表彰するNPBアワーズが17日に都内で行われ、ソフトバンク・柳田悠岐外野手(32)は2015年以来となるパ・リーグMVPを受賞。「優勝を逃してから、これが一番の目標でした。やっとかなった。格別です」と喜びをかみしめた。

 昨季までチームは2年連続でリーグ優勝を逃し、自身も昨年、左ヒザの腱断裂という選手生命が危ぶまれるほどの大ケガに泣いた。華麗な復活に「今年、数字が残せたのは一安心。『まだまだやれるんだ』という気持ちが出てきた。次の目標は3回目(のMVP)」と覇気に満ちた表情を見せた。

 生き様を見せたシーズンだった。今季掲げた唯一の目標は「全試合出場」。最終的には首の張りで1試合欠場し、じくじたる思いが残っているかもしれない。こだわりが強かったのには理由がある。昨オフ、日本球界最長タイの7年契約を締結。「大ケガをした自分に、ものすごい契約を用意してもらった」。契約書にサインした瞬間「安住」よりも「責任」を痛感。超大型契約の最初のシーズンだからこそ、姿勢と結果で球団の誠意に応えたかった。

「球界の顔」も担っている。「欠場すればファンをガッカリさせる」。わずか欠場1試合でも、その日しか来れないファンにとっては特別な1試合だと理解している。「球場に来たら、痛いかゆいはない。それが〝侍〟です」。そんな信念も込められていた。

 出場119試合で打率3割4分2厘、29本塁打、86打点と主要打撃部門すべてでトップ3に入り、初となる最多安打のタイトルを獲得。平石一軍打撃コーチが「日本球界で最も代えの利かない選手」と言い切るように、数字だけでは測りきれない貢献度と存在感があった。

 7年契約の判を押す寸前に手を止め「契約期間中に僕が(故障や衰えで)チームのためにならなくて、辞めたくなった時はどうしたらいいんでしょうか」と、球団に真顔で確認した逸話もある柳田。球界内には今も複数年契約に対するネガティブな風潮が残るが、柳田に限っては無縁の話だろう。「生き様を見せてもらった」。精鋭軍団の同僚たちも心からMVPを祝福している。