プロ野球の年間表彰式「NPBアワーズ2020」が17日に東京都内で開催され、巨人・菅野智之投手(31)が6年ぶり2度目となるセ・リーグMVPに輝いた。

 MVPの名にふさわしい無双ぶりだった。菅野は開幕戦から13連勝をマークするプロ野球記録を樹立。最終的には14勝2敗、防御率1・97の好成績を叩き出した。

 14勝、そして勝率8割7分5厘はいずれもリーグトップの2冠。これまでにも数々のタイトルを手中にしてきたが、今年はまた格別な思いもこみ上げた。最優秀防御率はすでに4度(14年、16年、17年、18年)、最多勝は17年、18年に続いて3度目、最多奪三振も2度(16年、18年)獲得していたが、最高勝率はプロ8年目で初めてだった。菅野は「僕の中では最多勝もうれしいんですけど、最高勝率の方がうれしいです。これで主要タイトルを全部取れたので」とニッコリだ。

 チームもリーグ2連覇を果たした。しかし、昨季は腰痛の影響もあって不本意なシーズンを送り、優勝の輪でも喜びは半減した。それでも、今季はまさに大黒柱の働きで「去年と違って心から喜ぶことができました。今年に関しては心からチームの優勝に貢献できたというふうに思えたので、本当に最高のシーズンでした」とはにかんだ。

 そのエースはポスティングを申請し、メジャー挑戦と残留の狭間で揺れている。ただ、米国内の新型コロナの感染状況が深刻で、すでに来季開幕が延期される可能性も取りざたされている。

 菅野はこの日の受賞後に「僕自身も正直どうなるか分かりません」としつつも「どこへ行ってもこういう賞をいただけるような活躍をしたいと思っていますし。そのためには、想像を絶するぐらいの覚悟と決意がないといけない」と思いを新たにした。

 巨人一筋で101勝を挙げ「まずは150勝を目指してやっていきたい。200勝と言うと気が遠くなるような数字なので」と新たな目標を掲げた絶対エース。その白星を重ねていく舞台は巨人なのか、それとも…。