主砲に新たな任務が与えられそうだ。巨人・坂本勇人内野手(31)のキャプテン続投が10日に決定。背番号6は将来の後継者に「岡本ですかね」と岡本和真内野手(24)を指名した。そんな中、チーム内からは「岡本には来年から〝副キャプテン〟として坂本を支えてほしい」と早くもラブコールが送られた。 
 5年契約の2年目シーズンを終えた坂本は東京・大手町の球団事務所で契約更改交渉に臨み、年俸5億円(推定)の現状維持でサイン。会見で「(球団から)特殊なシーズンでチームをまとめてくれた。そういうふうに言っていただいて、来年もキャプテンとしてチームをまとめてくれと。来年もキャプテン、僕がやります」と主将続投を宣言した。

 2015年に阿部慎之助(現二軍監督)から後継に指名され、ついに7年目に突入。阿部の8年(07~14年)に次ぐ球団歴代2位タイの〝長期政権主将〟となった。

 9年ぶり日本一奪還を目指すが当然、次のリーダーも考えければならない。将来的な後継者を聞かれ「岡本ですかね」と今季打撃2冠の4番を指名。「そういう(主将)タイプじゃないかもしれないですけど、でも今年の行動だったり見ていたら、すごく自覚も出て、責任感をちゃんと持ってプレーしているなとすごく感じていたので」とリーダーの素養を見いだしたという。

 この〝後継指名〟に球団内からは「岡本には将来ではなく来年から〝副キャプテン〟として坂本を支えてほしい」と正式な役職ではないものの、主将のサポート役を期待する声が湧き起こった。このままいけば来季の坂本にかかる負担が大き過ぎるためだ。

 現在、菅野がポスティングシステムを申請しており、交渉次第でメジャーに移籍する。坂本はエースに「僕たちは本当に背中を押してあげるだけ。彼がメジャーでプレーする姿をすごい見たいなと純粋に思いますね」とエールを送る一方で「でも(メジャーに)行かれても困りますけどね。そういう複雑な心境で今、彼の報告を待っています」と心情を吐露した。

 戦力としてはもちろん、坂本にとって菅野は欠かせない「右腕」。選手会長を3期務めた投手陣のリーダー役で、チーム低迷時には2人で議論を重ね打開策を練ってきた。次期投手リーダー候補は来季10年目・今村、同6年目・中川らと力不足は否めず、主将自ら投手陣にも目を配るケースも出てくる。

 球団関係者の一人は「優勝から遠ざかっていた高橋由伸前監督時代、納会で勇人が酔って、べろべろになったことがあった。チームが勝てない責任を一身に背負う姿を見ている。もうそろそろ楽にしてあげた方がいい」と主将の負担減を願った。

 昨オフ、坂本はキャプテン辞任を球団に申し込むも「日本一になってから」と原監督に慰留された。チームの顔である4番が同世代や若手をまとめてくれれば、坂本の負担はグッと減る。何より岡本のリーダーとしての成長が期待できる。

「みんながね、キャプテンという気持ちを多少は持ってほしい」という主将の切実な言葉に果たして岡本はどう答えるか。