ダルビッシュのLINEで引退翻意 ソフトバンク・吉住が感じた「運命」

2020年12月09日 07時15分

引退の意向を示唆しながら翻意して現役続行を決めた吉住

 意外なところから救世主が現れた。今オフにソフトバンクから戦力外通告を受けて現役引退を示唆していた吉住晴斗投手(20)が8日に育成選手として再契約した。

 高い身体能力と最速151キロを誇る2017年ドラフト1位右腕は3年間で一軍登板なし。二軍戦も昨季の12試合のみで今季は登板機会もなく「3年間で今年が一番しんどかった」と腹はほぼ決まっていたが、海の向こうからの連絡が人生を変えた。

 戦力外を通達された翌日だった。先輩の石川柊太投手(28)から「ダルさんに連絡先を教えていいかな?」と連絡があった。不思議に思いながら応じるとすぐ、面識のないカブスのダルビッシュ有投手(34)からLINEが届き、そこから頻繁にやりとりが始まった。気持ちに寄り添った温かい言葉の数々の中にあった「もったいないんじゃないの?」という文面を目にした瞬間、気持ちが大きく動いた。

 2009年WBC決勝・韓国戦でのダルビッシュの雄姿に衝撃を受けてプロを志した。以後、動画を再生して体の使い方や投球フォームを参考にしてきた。「一番憧れた投手」からの〝待った〟に「運命というか、何か意味があるんじゃないかと感じた」。

 引退を翻意した後も、ダルビッシュは「野球でも何でも、悩みがあったら、いつでもいいから連絡しておいで」と今後のサポートまで申し出てくれた。技術面での悩みを抱え、精神的にも追い詰められた若鷹にとってはありがたい限りだった。

 もう下を向いていられない。吉住は「やれるだけやってみようという感じです。一軍で投げる目標は変わらない。そのためにもう一度支配下に戻ることが目標。契約していただいたので、もう一回、全力で野球に取り組みたい」と力を込めた。再出発のステージを用意してくれた球団、背中を押してくれたダルビッシュのためにも上だけを目指す。